高卒、無職、ボッチの俺が、現代ダンジョンで億を稼げたワケ〜会社が倒産して無職になったので、今日から秘密のダンジョンに潜って稼いでいこうと思います〜
第23話 男子の大半が大人になっても好きだと思うんだ。ハンバーグとカレー。①
第23話 男子の大半が大人になっても好きだと思うんだ。ハンバーグとカレー。①
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色欲の大醜兎(E)を倒しました。
経験値を獲得しました。
色欲のダンジョン(E)が攻略されました。
報酬:5121円獲得しました。
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今日もEランクダンジョンを順当に攻略できた。
『見習いNINJA』のおかげもあってか、かなり楽に倒すことができた。
忍法系はまだ使いこなせていないが、『忍者』のスキルも見習いNINJAをセットしてから上昇したように思う。
このダンジョンは兎系のモンスターが多く、今までなら攻撃を与える前に見つけられていたが、隠密を使って兎のすぐそばまで行っても気づかれないようになった。
やっぱり、セカンドジョブは相乗効果のあるジョブにするのがいいようだ。
「あ」
「ん? どうかしたか? 京子」
「えっと。ドロップアイテムが出たみたいで」
「おぉ。そうなのか。おめでとう」
Eランクダンジョンからは戦闘に勝利するとたまにドロップアイテムが手に入る。
下級ポーションとか、モンスターの毛皮や爪とかだ。
毛皮や爪は『見習い鍛治師』や『見習い防具職人』になれば加工して武器や防具を作れるようになる。
昨日、家に帰ってからセカンドジョブを『見習い鍛治師』にかえて見ると、手に入れたアイテムから武器が作れるようになっていた。
試しに一つ小太刀を作ってみた。
実は今使っているものがそれだ。
何が便利って、ジョブで作った武器はダンジョンGo!の中にしまうことができるのだ。
これで、無駄に嵩張る小太刀を持ち歩かなくて良くなったというのは本当に嬉しい。
ちなみに、京子はロッドを持っており、それも昨日京子自身が作ったものだ。
心なしか俺の小太刀より出来がいい気がする。
ジョブランクを上げていけば、もっと綺麗な小太刀が、できるはずだ。
俺は密かに、ジョブランクを上げることを決意した。
「ダンジョンボスのドロップアイテムは初めてだな。中級ポーションでも出たのか?」
「いえ。それが、装備が手に入りました」
「え?」
「これです」
京子はダンジョンGo!を操作して、アイテムを取り出す。
それはネックレスだった。
ネックレストップには二つの重なったリングがついている。
「魔法の効力を上げてくれるものらしいです」
「へー。ラッキーだったな」
そうか、ドロップアイテムには装備とかも出てくるのか。
よく考えると、モンスターの毛皮とかも装備を作れるのだから似たようなものか。
だが、間違いなくあたりのドロップアイテムだろう。
「あの。これ」
「ん? つけてほしいのか?」
京子はおずおずとネックレスを俺に差し出してくる。
つけるのを手伝ってほしいのだろうか。
さらっと言ってみたが、女の子に装飾品をつけるなんて高度なことを求められても正直困る。
頼む、違うと言ってくれ。
表情には出さないようにしていたが、俺の心臓はバクバクと高鳴っていた。
「いえ。サグルさんがもらってください」
「え?」
「私はついてきただけで何もしていないので」
京子は恐縮したような顔でネックレスを差し出してくる。
俺は京子とネックレスを交互に見る。
正直、京子がいることはかなり助かっている。
俺一人だと、休憩中とか暇すぎてしっかり休憩も取らずに攻略していた可能性が高い。
もしくは休憩ごとにダンジョンの外に出ていただろう。
ダンジョンの外で同じ時間休憩すれば十倍の時間がかかるので、ダンジョンの中で休憩する方が効率は上がる。
それに、京子の補助魔法も本当に助かっている。
特に、さっき覚えた『
加速とはいうが、俺の主観でいうと敵が遅くなっているようなものだ。
攻撃するにしても防御するにしてもこれほど便利なこともない。
前衛職なら誰でも喜ぶ補助魔法じゃないだろうか。
京子はダンジョン攻略に間違いなく役立ってくれている。
だが、本人はあまり自覚がないようだ。
何度も伝えてるつもりなんだが。
「京子が手に入れたものは京子の物にしていいよ」
「でも」
「じゃあ、京子が手に入れたものは俺からのプレゼントだと思ってくれ」
「え?」
「京子が一緒にいてくれることに対するお礼のプレゼント。それならいいだろ? 男が女の子にプレゼントをあげるのは普通のことなんだからさ」
「……プレゼント」
「プレゼントを突き返されると悲しいから、もらってくれると嬉しいな」
俺は女性にプレゼントなんてあげたことない。
俺がプレゼントをあげたことがある女性なんて母親だけだ。
だから正しいかわからないが、そういうことにしておこう。
京子はネックレスをじーっとみた後、優しく微笑んだ。
「プレゼントなら、喜んで受け取ります」
「そうか、よかった」
俺はほっと胸を撫で下ろす。
だが、俺の受難は終わっていなかったようだ。
京子はスッとネックレスを俺の方に差し出してくる。
「あのつけてもらってもいいですか?」
「……あぁ」
どうやら、俺は選択肢を間違えてしまったらしい。
確かに、ネックレス系のプレゼントをしたら、そのまま付けてあげるのが当然の流れだ。
俺がネックレスを受け取ると、京子は背中を向け、髪の毛を手で避ける。
白いうなじが顕になった。
俺は無心で京子にネックレスをつけた。
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