夜鏡の鳥

この身が鳥となり

千々に散っても戻って来よう

森の止まり木

波間の小舟

きみの元へと


砕けた心に

夜が降り積もる

闇の淵で時間を潰す

横切る彗星

鳥は涙を降らす

みな眠る

淀の奥底

蓋をして

小瓶に沈む

星は起こすな

いつまでも夜のままで


いつしか鳥になり

飛び立ったならば

種を落とす

静かな谷

街の隙間

見知らぬ森

空漠の海

芽吹いた花は

きみの元へと


煩わしく巡る星

醒めて夜

この身は夜

きみの空に

俺は居ないが

冷めた星の裏側で

鳥が飛ぶ

昼間の星を

小瓶に詰める

届かぬ声も

空しくはない

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