第3話
帰ってきた俺たちはレベルアップの為に教会へと向かう
最初の頃はなんで寮のすぐ隣に教会があるのが疑問だったがこの為だったみたいだ
つまりは異世界人のレベルアップのためだけに新しく教会を建てたってことか?すげぇな…
レベルアップの方法は教会の中にある女神の像の前で1人ずつ決められたポーズを取り、決められた合言葉を言う。といったもの
これがなんともダサいんだよなぁ…
教会の中に入ると既に何人かのクラスメイトがレベルアップの儀式をしていた
あぁ…見てるだけでも恥ずかしいのに今からこれやんなきゃいけねぇのか
「ほら、和泉」
「はやくしろって、後ろ詰まってんぞ」
急かされながら渋々と儀式のポーズを取る
女神像の前で片膝付いて両手を上に伸ばし手を開く
「女神の祝福により授かりし力、我の物となるべく力振り与えられん」
身体が青白く光る
これは…
なんとも言えない感覚
まだ動いてもいないのに自分の能力が上がった事が分かる
というか力が湧いてくる
「なぁ!皆すげ…」
みんなの方を振り向くと必死に笑いを堪えている3人の姿があった
というか後ろ詰まる程人いねぇじゃねぇか!
そんな感じでワチャワチャしながらレベルアップを終えた
この儀式に慣れる日が来るんだろうか…
――半年後
当然だがレベルが上がれば上がるほど、上がりにくくなる訳で結局儀式に慣れないまま半年が経過した
俺たちはダンジョンに挑み続けレベルを上げた結果
俺がレベル25、祐二がレベル30、傑がレベル24、剛がレベル26まで上がった
物理耐性がある敵も多く、なにより魔法の方が火力がある為、必然的にトドメを刺すことが多かった祐二が1番レベルが高くなった
目標としていた初級ダンジョンは3ヶ月程でクリアした
俺たちはクラスメイトの中でもトップクラスの実力を持っていたのだが、それでも未だに中級ダンジョンには手も足も出ずにいた
そんな日々を過ごしていたらあっという間に1年が経っていた
この世界で害獣と戦う者は「討伐者」と呼ばれ、職業として認定されている
討伐者は討伐者カードというものを持ち、討伐者役所と言う場所で依頼を受け、依頼を達成する事でお金を稼ぐ
ついでに討伐者のランクについて説明しよう
討伐者は実力に応じてランク分けされていてE〜Aが存在する、Aになるほど高ランクとなる
Sランクというのも存在するらしいが、化け物みたいな討伐者にしか与えられないランクの為無いのと同じ様な物らしい
ランク毎の目安となる強さは
Eランクー初級ダンジョンクリアレベル
Dランクー中級ダンジョンクリアレベル
Cランクー上級ダンジョンクリアレベル
Bランクー上級ダンジョンソロクリアレベル
Aランクー災害指定害獣討伐レベル
Sランクー天災指定害獣討伐レベル
といった感じ
つまり初級ダンジョンを攻略していれば、討伐者として認められすぐに活動出来るのだ
仮に訳あって初級ダンジョンの攻略が出来なかったけど討伐者になろうと思った場合は試験官との試合をして認められないといけない
話を聞く限り初級ダンジョンをクリアするより難しいらしい
俺たちは初級ダンジョンをクリアしているので晴れて討伐者となった
餞別として1人100万ギルというお金をもらった
ギルは大体日本円と同じくらいの感覚なのでかなり破格の餞別だが、色々揃えていたらすぐに無くなってしまうんだろうか?
ちなみに討伐者以外には20万ギルと少し少なめ、仕事を探すまでのお金という感じだろう
余談だが討伐者には月給が存在するのだが、Eランクの月給は2万ギルとかなり少ない
対してAランクの月給は300万ギル
そこまでくると何もしなくても豪遊出来そうだ
4人合わせて手元に400万ギルあるとは言え、早くランクをあげないと苦労しそうだ
普通ならすぐに討伐者として活動するのだろうが、俺の提案で中級ダンジョンクリアするまで残ることにした
装備などは貰ったものをそのまま使い自分達の実力だけでダンジョン攻略をした
――さらに半年後
ようやく中級ダンジョンをクリアしDランクとなった
400万あった餞別も残り少しとなっていたので、空き時間を見付けてバイトをしていた
私生活でも少し変化があった
討伐者になれず商店街のパン屋で働いていた初島を偶然見付けた祐二が何度も通い口説いて
付き合い始めたらしい
正直羨ましいがそんな行動力俺にはないし、祐二は良い奴だから2人とも幸せになって欲しいと思う
Dランクになってからはひたすら依頼を受けて害獣を狩り続けた
半年くらい経った頃だろうか?
俺たちは盗賊討伐の依頼を受けることにした
この世界はある程度秩序は保たれているが、日本のように警察がいる訳ではない
さらに犯罪者と言えば泥棒ではなく盗賊、討伐者の中にも素行が悪い者が数多くいる
この先、自分達の身を守る為に人を殺さないといけない場面があるかもしれない…
その時躊躇しない為に、初めて殺すなら盗賊の方が気が楽だろうという事で依頼を受けた
俺たちは討伐者となってから、他のクラスメイト達との関わりが殆どなかった
誰かが死んだ、とか行方不明になった、とかそういうのを聞きたくなかったから
だから偶然、初めて受けた盗賊討伐依頼の盗賊の拠点に知り合いがいるなんて思わなかった
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