ダンジョンは俺たちの冒険
夕日ゆうや
冒険者
椿の咲く頃。二月。
雪がひどくなる時期に、俺はヘビの形をした
この世界には魔物がいる。魔法がある。魔術がある。
俺が使えるのは魔法のみ。魔物が持つコアを材料にし錫杖や剣、槍などを作ると、魔力が扱えるようになる。
「よっ。シシー」
「よろしくです。アンタレス」
俺は彼女と一緒にダンジョンに潜る。
二人だけのパーティ。
ホント言うと、前衛が二人、治癒師が一人くらいは欲しい。欲しいのだが……。
シシーの顔を見る。
整った顔立ち。
白く透き通るようなもちもち肌。
銀糸のような細くてキラキラしたような髪質。腰まであるロングヘアー。
エメラルド色の瞳。
柔和な雰囲気も相まって、素敵な子に見える。
「今日はダンジョンで二千リル稼ぐぞ!」
シシーともう少し二人っきりでいたい。
だから仲間を作らない。
「だったらベアアークを二匹だな!」
「そんなー。もっと弱い奴で稼ご? ね?」
ベアアークはこのダンジョンでも五本の指に入る強さだ。
「はいはい。じゃあ、頑張りますか」
「そうよ。頑張らないと!」
二人はまだ知らない。
両思いだと。
ダンジョンに向かって歩みを進める。
その先に何が待っていようと、二人は愛のパワーでくぐり抜けるだろう。
銀等級の彼らなら、いつかベアアークほどの相手でも勝てるかもしれない。
俺とシシーの冒険はまだ始まったばかりだ。
ダンジョンは俺たちの冒険 夕日ゆうや @PT03wing
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