#29 地元の穴場スポット
帰省して二日目の土曜日。
朝、先に起きたらしいミキに起こされた。
寝起きで朦朧としている中、情熱的なキスをされる。ミキが止めてくれるまでされるがままだ。
長いキスがようやく終わり、寝惚けたままミキに手を引かれて1階に降りて、既に起きていた父さんと母さんに挨拶しながらキッチンの食卓に座る。
食卓には、ご飯の他に、味噌汁、アジの干物、目玉焼き、簡単なサラダが並んでいる。 以前は、朝食でこれだけの品数が出て来ることは無かったけど、多分ミキがお客さんとして来たから母さんも奮発したのだろう。
ミキと母さんが朝から元気よく会話してる横で、俺と父さんは口数少なくモグモグと口を動かす。
そんな4人で朝食を食べていると、ヒトミとマユミも起きて来て、二人も挨拶しながら食卓に座り、更に食卓が賑やかになる。
一人先に食事を終えたが、ミキが食べ終えるのを待ってから食器を片付けて、洗面所で二人で並んで歯を磨いた後は、ミキはシャワーを浴びにお風呂場へ。俺は一旦自分の部屋に戻り今日の出かける準備を始める。
自宅から徒歩15分程の所に沢があって、今日はそこへミキを連れて行き、泳いだりして遊ぶつもりだ。
小学校や中学生の頃は、夏休みに入ると毎日の様にその沢に通い詰めては、泳いだり魚を捕まえたりして遊んでた場所で、ミキに「ヒロくんの育った町が見たい」と言われた時に、一番最初に思い浮かんだスポットだった。
子供の頃は水筒1つ持って自転車に乗って行ったものだが、今回はその場で食事もするつもりなので、準備した荷物も持って行く。
昨日確認したガス式のコンロとイス、カップラーメンにミネラルウォーター、スポーツドリンク、タオルにビーチサンダル、あとはお菓子なんかを用意。 水着は自宅で着替えて上からTシャツとハーフパンツ履いて行く。
ミキの水着は先日向こうで一緒に買いに行って来た物で、一緒に選んだのでどんな水着かは知っているが、試着した姿は見せて貰えなかったので、ようやく今日は見せて貰えるので超楽しみだ。
ミキがシャワーから戻って来たので、昔使ってたリュックを押し入れから引っ張りだして、用意した荷物を中へ詰め込む。
作業をしながら、メイクを始めたミキに「現地だと着替える場所とか無いから、水着はココで着て行こうね」と話すと、「じゃあ私、今から着替えちゃうから、ヒロくんこっち見ない様にしてね」と言って、自分の旅行バックをゴソゴソし始めた。
昨夜もそうだが、普段お泊りした時とかお互い目の前で裸になったり着替えたりは日常茶飯事で、ホントは着替えるところも見たかったけど、荷物の詰め込み作業を終えた俺は素直に従い、ミキに背を向けてゴロンと横になりながら、スマホをいじって時間潰しを始めた。
因みに俺は、ミキの前でも堂々と全裸になって水着に着替えた。
ミキも着替えが終わると、ドリンクや日焼け止め等を自分のトートバッグに準備をした。
二人とも準備が終わると荷物を持って1階に降り、まだ少し時間が早かったけど出発することにした。
昨日の散歩と同じように、手を繋いでのんびり歩いて向かった。
山の手前を流れる川に沢があり、目指すスポットは道から離れた少し入り込んだ所にある。
雨の日や台風などの時は、水量が多く流れも速くなるので危険で近づけないが、普段は流れは穏やかだし、水がとても透き通ってて綺麗で、潜って見ると水中を泳ぐ魚とかが普通に見える。
更に、そこのスポットが面白いのは、対岸が岩場になってて、その岩が下に突き刺さる様になっている部分の水底が、3メートル程度の水深があり、子供のころは岩場の上までよじ登って飛び込んで遊んだりした。
そんなことをミキに話しながら途中、農作業をしているご近所さんとかに挨拶しつつ、歩いて行く。
都会育ちのミキには、川の水が透き通っているとか、子供だけで川遊びするとか、映画やアニメの世界だけの話という感覚らしく、俺が思っていた以上に期待を膨らませてテンションが更に上がっていた。
確かに、街中を流れる河川やドブ川は濁ってるし臭いもんな。あんなところに入ったりしたら、病気とかなりそうだし、川で遊ぶなんていう感覚は、都会の子供には理解できないのも納得できる。
道から外れて、林の中の獣道を歩いて行くと、林が途切れて開けた場所に出た。
正面には川が流れており、対岸には先ほど話した岩場が見え、川の手前には丸い石がゴロゴロとしている。
以前と全く変わらない景色のままだ。
最後にここに来たのは、高校2年の夏休みだったか。
隣のE市に住む高校の同級生たちが、ウチまで遊びに来たのでココへ連れて来たのが最後だ。
俺の住んでた町はE市なんかに比べて田舎だし、本当に何も無いから苦肉の策でココへ連れてきたら、友達連中みんな大喜びして随分と
「凄い…」
「ね?静かで空気綺麗だし、景観もいいし、他に誰も来ないからプライベートビーチみたいで絶好のデートスポットでしょ?」
「うん!どうしよ!どうしよ!めっちゃテンション上がって来たよ!」
「とりあえず荷物降ろして準備するから、その間に日焼け止めとかしちゃってね」
「うん!」
俺は日焼け止めは塗らない人なので、作業を進める。
手頃な丸石を幾つも足場になる場所に並べてイスを置いた時に安定するように調整したり、コンロを置くテーブル代わりになるような大きくて平な石を探したり、水辺で石を動かしてペットボトルのドリンクを冷やす為の囲いを作ったりしていた。
「ヒロくん!どう?」
作業をしているとミキに呼ばれたので手を止めてミキの方へ向くと、既にシャツとパンツを脱いでて、待望の水着姿を披露してくれた。
鮮やかな水色に白い縁取りのビキニタイプで、健康的で脚長くてスタイルバツグンのミキには、滅茶苦茶似合ってた。
「すげぇ似合ってる。モデルさんみたいでカッコイイよ」
そう言って、サムズアップをグーッて見せると、その場でジャンプしながらくるっと回って後ろも見せてくれた。
おっぱいがプルンと跳ねてお尻もプリプリしてて、やっぱり水着姿のミキはエロい。 そんなエロくて楽しそうなミキの姿が可愛くて、自然と表情が緩んでしまう。
「ヒロくん!背中塗って!」
「了解」
ミキに座って貰い、日焼け止めの液体を素手で首から肩に背中と順番に塗り広げて行く。
俺がヌメヌメ塗り塗りしている間、ミキは自分の髪をヘアゴムでくくりポニーテールにした。
日焼け止めの甘い匂いが漂う中、目の前の水着姿のミキにムラムラして来るが、この場で押した倒したりしたら折角の楽しいデートが台無しになりかねないので、自制してさっさと日焼け止めを塗り終えると、ミキは「ありがと!」と言って、俺に抱き着いてほっぺにキスしてくれた。
水着姿のエロ可愛いミキに抱き着かれても自制するの、すげぇ大変だった。
泳いでる間とかイスに座って休憩してる時とか、何度も押し倒したい衝動に駆られて、でもミキはそんな俺の性的衝動との葛藤などお構いなしで何度も抱き着いてくるし、その度におっぱい押し付けて来るし、天使なのか悪魔なのか分からんかったな。
漸く準備を終えると、ミキはハイテンションのまま如何にも体育会系のノリで柔軟体操を始め、それ見て俺もシャツとパンツを脱ぎ去る。
ビーチサンダルに履き替えて、水辺に近寄り片足をそっと浸けるてみる。
ミキも俺の動作をマネする様に片足を浸けると、「冷た!?すっごい冷たいよ!」と更に興奮し始めた。
「うん。山からの水だからひんやりしてるよ」
「ひんやりどころか冷たすぎない?」
「まぁ冷たいのは最初だけで、直ぐに慣れるよ。それに体冷えてきたら河原で休憩してれば直ぐに体温戻るし」
「う、うん、わかった」
歩くスピードでゆっくり川の中へ入って行くと、思わず「冷た!?」と叫んで両手で自分を抱く様にしながらジャンプを繰り返すと、水中で足を滑らせて体勢崩して倒れてしまい、全身が冷たい水に浸かり、あまりの冷たさに更に「ぎゃぁぁ!」と悲鳴を上げながら立ち上がろうと必死に
そんな俺の姿がよほど面白かったのか、ミキは大爆笑している。
体勢を立て直してなんとか立ち上がった俺は、ミキに向かって両手を広げ呼びかける。
「ミキもおいでよ!冷たくて超気持ちイイよ!」
「おっけー!」
ゆっくりゆっくり恐る恐るといった感じで歩を進めてコチラにやってくる。
ようやく俺のところに辿り着くと、冷たさでブルブル震えながらしがみ付く様に俺に抱き着いた。
俺はミキの体を抱きしめ返すと一気に持ち上げて、もっと川底が深い方向へ振り向く様にしてミキの体を放り投げた。
飛んで行くミキと、一瞬目が合う。
現実には違うが、心理的にはスローモーションだ。
ミキ、『信じられない!?』って表情してた。
うん、その顔が見たかった。
ドッボーン!!!っと大きな水しぶきを立てて落ちると、ミキは余りの冷たさに「ぎゃぁぁぁぁ!!!」と悲鳴を上げた。
30分ほど二人でギャアギャア騒ぎながら遊んでいたが、少し休憩することに。
二人それぞれにイスに座って冷やしていたドリンクを飲んでいると、ミキはバッグからスマホを取り出して景色や俺の姿をパシャパシャと撮影し始め、興奮冷め止まぬ様子で話し始めた。
「すっごく楽しいね!」
「それは良かった。田舎だしマジでココくらいしか自慢できるとこ無かったから、「つまんない」とか言われたら超絶凹んでたと思う」
「そんなこと言う訳ないじゃん! 最初ココに到着した時は『秘境』って感じで「うわぁ…」って感動して言葉出てこなくて、でも川に入ると水が超綺麗で冷たくてすっごい楽しいし、ヒロくん意地悪なのは相変わらずだけど、もしかしたら今までデートした中で一番楽しいかも!」
「おぉ、予想以上の高評価じゃん。 じゃあ来年も来る?」
「来る!絶対に来ようね!」
「よし、そんなに気に入ったんなら、次は飛び込みチャレンジしてみるか」
「飛び込みって、来るとき話してた対岸の岩の?」
「うん。 あっちの方によじ登れる所があるからソコまで泳いで渡って、後は上までよじ登って飛び込むの」
対岸の岩の上からのダイブは、コチラから見ると高さ的には大したこと無さそうに見えるが、実際には3メートル以上あり、上から下の川を見下ろすと、結構な高さに見える。
小学生の頃、ヒトミやマユミをここに連れて来ると、マユミは物怖じせずに俺と同じように何度も何度もダイブしていたが、ヒトミはビビって「無理…」とよく泣き出したものだ。
休憩を終えようと立ち上がると、ミキは「一緒に写そ?」と言って、俺に抱き着く様にして自撮りで何枚も撮影した。
ミキが満足気な顔をしてスマホをバッグに仕舞ったので、対岸を目指して再び川の中へ入る。
先ほど遊んでた場所よりも深くて足が川底に届かなくなると、水面から顔を出したまま平泳ぎで進み、ミキに先に登る様に言い、ミキがよじ登るのをお尻を支えて補助する。 上まで登ったのを確認してから俺も上がり、ミキの横に並んで下の川を見下ろした。
「この高さ、子供の頃は全然怖く無かったけど、今だとちょっと怖いな」
「度胸試しだよね…」
「飛び降りる時、出来るだけ遠くに飛ぶつもりでダイブしてね。 直ぐ真下だと岩にぶつかったりして危ないから」
「う、うん」
流石のミキも恐怖を感じている様子で、さっきまでのハイテンションが治まっていた。
「よし、俺から行くね!」
ミキの返事を待たずに「おりゃ!」と掛け声と共にジャンプする。
ドッボーン!!!と大きな水しぶきを上げて、一気に深い川底近くまで落ちて行く。
両手で水を搔きながら水面を目指し、顔を出してミキの姿を確認してから手を振ると、ミキも手を振り返してくれた。
「ミキもおいでー!」
「わかった!」
ミキがヒョイっと飛び降りるとお尻から落ちて行き、ドッボーン!!!と大きな水しぶきを上げた。
その後も何度も繰り返しダイブして遊び、途中、飛び込んだ時の水圧でミキの水着がズレ上がりおっぱいが見えてしまうラッキースケベ的アクシデントがありつつ、散々笑って騒いで二人とも疲れると、後は河原でイスに座ってのんびり過ごした。
お昼ご飯に、コンロで湯を沸かしてカップラーメンを食べると、その頃には水着も髪の毛も乾いていたので帰ることにした。
来た時の様に荷物を詰め込んだリュックを背負い、ミキと手を繋いで歩いた。
帰り道、「帰ったら昼寝でもするかな」と考えていると、唐突に「エッチしたいけど、旅行中はムリそうだね」とミキが言い出した。
昨日今日とずっと一緒に居てハグやキスしたりは何度も繰り返しているが、それらの行為はミキにとっても性的衝動を呼び覚ましていたのかもしれない。
「お盆休み中だから家にはずっと誰か居るし、家じゃ無理だね。 あ、でも、ラブホとか行けば出来るよ?」
「あるの?」
「少し離れてるけど、海沿いの方にあるよ。車で行けば20分弱かな。 行ってみる?」
「ちょっと行ってみたい、かな」
俺たちはこの1年で結構な回数のエッチをしているが、俺のワンルームでしかしたことが無いので、ラブホに興味を持ったのかもしれない。
自宅に帰ると一旦荷物を自室に置いて水着から着替えて、母さんの車を貸して貰い、俺の運転で出掛けた。
田舎の寂れたラブホでは、ミキは「まぁこんなもんだよね」と
だが、俺もミキも午前中に散々川で遊んで疲れていた為か、致したあと二人とも裸のまま寝落ちしてしまい、時間を知らせる為の内線で起きて、シャワーも浴びずに慌てて服を着て、家に帰った。
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