かつて物だった僕へ
紫乃遼
第1話 プロローグという名の終わりから
拝啓、かつて物だった僕へ
26歳の僕から、ずっと物扱いされてきた君――過去の僕――へ、激励という名の慰めを贈ろう。
未来から見た君の生き方は、とても滑稽で無様で、常に必死で全力で、絶望的なほど希望を求めていた。
その努力に敬意を評して、僕は君へ何の救いにもならない賛辞も贈ろう。
「ことの良し悪しは、すべてが終わってからでないとわからない」
そう言い聞かせて耐え続けた君へ、もう努力しなくていいと諦めを説得する言葉を贈ろう。
全部が全部、僕のためだ。君のためじゃない。
君はこう言われて何をする必要もないし、今さらどう足掻いても過去の君の行動は変わらない。
僕の記憶の中で君の行動が改変されるだけだ。
それでもいいなら、君はこれを読むといい。
同じような状況で苦しむ人も、読んでみて損はないかもしれない。。
もしかしたら、一縷の望みよりも慰めや希望になるかもしれない。
すべては僕の自己満足だけど、これはそんな僕の始まりで、終わりの話だ。
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