1-22 神子として
鳳凰殿の宗主の間に集められたのは、
座っている
「ここにいる皆には知っていてもらいたくて、
「もったいぶらずに早く言ってください。こちらもそんなに暇ではないので」
「お前は、いつからそんなに忙しくなったんだ?」
「あなたが、わけのわからないことを言い出してからです」
きっぱりと
「公子殿、話とは?」
「内緒にしてたんだけど、俺、
「今回の鳳凰の儀の、朱雀の
(朱雀との契約は無事に終わったってことか?
思いの外、普通だった。彼もあの三人と同じなのか、
『ずっと、傍で
そう言った時の
(もしかして······、でもいつから?)
ちらちらと視線を送っていたせいで、後ろにいた
「えっと、うーん······
困った顔で
ふっと笑みを浮かべ、待っていたとばかりに
「
その説明に、老師はふむと白髭を撫で、
「
「ん? そうだが。今、そのことは重要か?」
「
そっちか、と
「あー······えっと、その事はとりあえず置いておいて、鳳凰の儀に関して、少し提案があるんだけど、」
「ほう、提案とは?」
うん、と
この良いとは言えない風習を、長年の一族の考え方を、変えたいと
その奇策とも呼べる提案に、老師は感心したように頷いた。それを為せるのは、ただひとり、目の前にいる
「良いでしょう。しかしながら、綿密な策と下準備が必要なことは確か。鳳凰の儀まであとひと月、
(
その策も、結局は
自分の身を犠牲にしてでも守りたいモノが、
けれども、それは叶わないことなのだと。
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