地球防衛隊

 この地球にはすでに宇宙人が入り込んでいると言われる。


 虫なんかは明らかにこの惑星の環境を構築するために送り込まれた機械だ。

 高度に発達した技術は自然物と区別することができないというのが、私の持論だ。


 そういう意味では、植物も怪しい。

 気候、気温、降雨、火災……そういった周囲の環境情報に応じて機械的に展開される生物的活動は、まるであらかじめプログラミングされたようだ。


 自宅近くの公園には松の木が生えている。

 松ぼっくりも実に奇妙な特徴を持っている。水に濡れるとかさが閉じ、乾燥すると開くようにできている。

 さらに、山火事によって中の種子をばら撒く種類もあるらしい。


 私は結論づけた。


 松ぼっくりは周囲の環境情報を収集するスパイデバイスだ。あれを放っておいたら、地球が危ない。


 私は早速公園に向かおうとしたが、ひとりでは数が足りない。

 途中、仲間を増やすため、男子小学生に声をかけた。


「松ぼっくりとってくれない?」


 男子小学生は私を無視して行ってしまう。


 まさか、あの子どもも宇宙人の仲間だというのか?



〜〜〜



※以下、「日本不審者情報センター」より引用


(東京)葛飾区東立石1丁目で声かけ 2月3日夕方

https://nordot.app/994320249183584256?c=134733695793120758


警視庁によると、3日午後4時30分ごろ、葛飾区東立石1丁目の路上で男子小学生への声かけが発生しました。(実行者の特徴:男性、30代後半位、黒色スウェット)


■実行者の言動や状況


・下校途中の男児に声をかけた。


・「松ぼっくりとってくれない?」


■現場付近の施設


・★川端小学校、渋江小学校、本田小学校、本田中学校、中川

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