なんだかんだ言って守護天使

 ふん。

 俺にとって、あのガキがどうなろうと構わない。

 あれがあいつの守護天使だとしても、だ。


 あいつは俺の存在なんか微塵も感じていない。

 そりゃ、そうだ。

 俺はあいつが気づかないところで危機を食い止めるのが仕事なのだからな。

 あいつは自分がどれだけ守られて日々を生きられているのか自覚がない。


 まあ、それでいい。

 守護対象に気づかれる奴は3流だ。


 だが、この街にも悪魔の軍勢がよく姿を現すようになった。

 気づかれないようになどと言っていられる場合ではなくなってきているのが実情だ。


 俺はいつものように車に乗ってあいつを監視していた。こうやって下界の人間に溶け込んで行動する方が何かと便利だ。


 無線が鳴る。


『マズいぞ! 闇の軍団が一斉に動き出した! こっちも……うああああ!!』


 バカが。

 警戒を怠るからだ。

 時間がない。

 あいつを安全な場所へ逃さなければ、この街で戦うことはできない。

 車を走らせ、横断歩道を渡るあいつに声をかけた。


「邪魔だ、さっさと行け」


 女子児童は走って行く。

 そうだ、それでいい。


 これで心置きなく戦うことができる。


〜〜〜



※以下、「日本不審者情報センター」より引用


(沖縄)浦添市で暴言 2月1日夕方

https://nordot.app/994083710989336576?c=134733695793120758


沖縄県警によると、1日午後4時50分ごろ、浦添市の路上で女子児童への暴言が発生しました。(実行者の特徴:男性、20〜30代、黒色普通乗用車)


■実行者の言動や状況


・車の中から、横断歩道を通行中の女児に暴言を吐いた。


・「邪魔だ、さっさと行け」

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