あなたへ

白黒羊

汚れた手

 暗く乾いた部屋の中で咽び泣く声がただ響いていた。

「どうして…どうしていなくなったの…」

 あなたは私の光だった。私の闇を拭い去ってくれた、唯一の光だった。

 あなたに恋に落ちて、私は幸せだった。あなたの前で始めて心の底から笑えたの。

 でもそれも過去のお話。あなたはいってしまった。私を置いて、いってしまった。

 私は捨てられたの。この世の全てから必要とされることはなくなったの。

 こんな私を可哀想と思うなら、お願い、帰って来て。

 もう一度私の手を握って、「大丈夫だよ」って言って。

 私の手にはまだ、あなたの温もりが残ってる。でもいつか消えてしまうのかな。熱い紅茶もいずれ冷めるように。

“大好き”なんて、もっと早く伝えてくれれば

「殺す必要もなかったのに」

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あなたへ 白黒羊 @hi_tu_zi2020

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