11月(1)
それが俺の仕事です。ってくらい、相変わらず家に居る事が多い。そんな中で楽しめるのはパソコンでネットを見るか、本を読むぐらい。ネットを見るついでに通販で本をどんどん買ってたら本棚が雑然していた。気づいてしまうと見栄えも悪いし、暇つぶしにもなるので整理する事にした。
まず全ての本を棚から出していく。買いまくってはいるものの、実はまだ読んでない本もある。もともと置いてあったミステリーっぽいもの、恋愛ものはあまり読みたいとは思わない。今後も手つかずのままになりそうだ。
全て出したはずの本棚に目をやると、一冊の古いノートがあった。本の後ろにでも隠れていたようだ。本と同じようなサイズだから、今回のように全てださないとわからなかったんだろう。
…誰のだろ。結構古そうだし、さすがに俺のじゃないだろ。ばあちゃんに聞いたらわかるかな。
中を見ていいものかと少し葛藤したものの、部屋にあったんだしいいかとペラペラっと最後までめくってみると、何か書いてあったのは始めの十数ページだけで後半は何も書いていなかった。書かれていた内容は日付と短い文章の繰り返し。おそらく日記だろう。人の日記を見るのはどうかとまた葛藤したものの、やはり好奇心には勝てない。それに読めば誰のものかわかるかもしれない。
書いてあった内容は、本棚にあったどの小説よりも文字数は少ない。読んでないものも含めてもそうだろう。そして、小説のように面白い話が書いてあるわけでもない。…そう、少し気になる事が書いてある。そんな程度の日記のはずだった。それでも、何度も繰り返して読んでいた。
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