7月14日
仙台駅で買ったお土産を片手に新幹線に乗り込んだ。気分転換が終わってしまう。これから、受け止めがたい現実とまた向き合うことになる。それでも行く前に比べればだいぶ楽になった気がするんだ。
「陽茉、今回はありがとね」
「お、いい気分転換になったかな?」
「かなり!」
「ならよかったよ」
「……それでね。やっぱり、これからも亮と一緒に居ようと思うんだ」
「本当に?決めるの早くない?」
「あのね、確かに今回は結構キツかったよ。本当に何もかも嫌にもなったんだ。亮にとっても、私と別れないと治らないんじゃないのかなって」
陽茉がきてくれるまでの間の事を思い出すと…今でもキツイ。
「…でもね、今回行き先を仙台に決めた時点で、自分の中で別れるって選択肢はなくなったと思うんだ。ちょっと休憩しに行こうって感じ。楽しかった事を思い出して、これからも頑張ろうみたいな。…やっぱり諦めきれないんだ」
「……それで本当にいいの?」
「だって負けたくないもん。せっかく一緒になったのに、こんなわけわかんないまま終えるのはなんか嫌。まぁ、また爆発するかもしんないけど。そん時はよろしく!」
「…あーぁ、一緒に独身を謳歌しようって思ってたのに。バカ、意地っ張り」
そう言うと、売店で買ってきたビールをプシュッと開け、乾杯もせずに一気に飲み始めた。
「それは悪い事したね」
私も缶を開け、グビグビ飲んでいる陽茉のビール缶に、私のをグリグリとぶつけて無理矢理乾杯をした。
…陽茉、ホントにありがとね。
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