第181話 世界の不気味な楽器たち
漫画家・藤子不二雄A先生のブラックユーモア短編集に『毛の生えた楽器』という不気味な作品があります。
アフリカ旅行の時に、実際に先生が手に入れた楽器をモチーフとして作られた話らしいのですが、世界を見渡すと、実在する奇妙な楽器というのがあります。
「世界最古の楽器」と言われるのは、ドイツの洞窟で発見された、マンモスの牙や鳥の骨を細工した笛だと言われています。作られたのは、石器時代のネアンデルタール人の頃。
ラテン音楽で使われる「キハーダ」という打楽器は、ロバや馬の下顎の骨と歯を使って音を鳴らします。
この代用品として人工物で開発を進めるうち、「ビブラスラップ」という楽器が生まれました。
金属の棒の先端に木製のパーツがついていて、振動で音を鳴らすやつ。ハンバーグ師匠が「ハンバーグ!」ってシャウトする時に「カーッ!」と鳴らすアレですね。
動物の一部を楽器に、といえば日本だって、三味線はかつて猫の皮を使ったものでしたし。
三味線のために猫を捕獲しすぎて、ネズミが増えて桶の底をかじって穴を開ける……これは「風が吹けば桶屋が儲かる」の一説です。
現在では猫ではなく、輸入したカンガルーの皮が使われることが多いそうです。
三味線に似た楽器、沖縄の「三線」は、別名を「蛇皮線」と言い、ニシキヘビの皮を使います。
チベット仏教の儀式に使われる「カンリン」という笛は、罪人の人骨から出来ています。
悪人は亡くなる時に、わずかな「善」の気が骨に残る、と伝えられているそうで、その骨で出来た笛を吹くことで、「善の音」を風に乗せて皆に聞かせる……という供養の意味があるそうです。
同じく、チベット仏教には「ダマル」という打楽器もあります。
こちらは、人間の頭蓋骨を2つ組み合わせて作ります。宗教儀式や、呪術にも使われたとか。ヒモの先に小さい金属の球をつけて振り回すと、頭蓋骨に当たって音が鳴る仕組み。これが日本の「でんでん太鼓」のルーツ、とする説もあるそうです。
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