第143話 クレーン車の「クレーン」の語源

 土木用の重機に、オレンジ色や黄色、赤などが多いのは、自然界に無い「ビビッドな色合い」で、視界に入った際に「目立つ」ようにして、巻き込み事故を防ぐためです。


 ところで、重い物や大きな物を吊り上げる「クレーン車」の、「クレーン」の意味を御存知でしょうか。


craneクレーン」 とは、もともと、鳥類の「鶴」の意味。


 発明された当時、支える架台には長い腕部分があり、全体的に 「鶴」に似ていたことから、物を吊り上げる重機を「クレーン」 と呼ぶようになりました。


 古代のギリシャでは海沿いに設置され、攻めてきた船にクレーンフックの先を引っ掛け、吊り上げて転覆させるという「兵器」としての用途もありました。

 持ち上げるのはもちろん、人力ですが。


 この「クレーン」の雑学、私が幼少期のころに知り合いの土木作業のおじさんから聞いたもので、 そのおじさんは、


「クレーン車を何でクレーンって呼ぶか知ってるか? クレーンってのは鶴って意味なんだよ。ほら、クレーンフックの曲がった形が、鶴の頭とクチバシに似てるだろ?」


 と、部分的には正解だけど、部分的に間違っている知識を教えてくれたのでした。


 そして、私も得意気にいろんな人に話したのですが、あとで誤りだと知ったのです。


ところで、ゲームセンターの「クレーンゲーム」 などは、全然 「鶴」 っぽくないですが……まあ「吊る」ってことで。 (ダジャレオチ)

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