第125話 視力検査の「C」の記号の名前は?

 立ちくらみでフラフラして、目の前がすーっと暗くなっていくような「めまい」を、正式には「眼前暗黒感がんぜんあんこくかん」 と呼ぶらしいです。


 がんぜんあんこくかん! なんか厨二病ソウルをくすぐるネーミング。

 格闘ゲームの必殺技みたい。


「くらえ、俺の全身全霊を込めた……眼前暗黒感っ!」


「うわーっ! や、やるな……まさか貴様が、あの奥義・眼前暗黒感を使いこなすとは! しかし、俺もここで倒れるわけにはいかねえ……いくぜ!」


「なにぃ! 俺の眼前暗黒感を食らって、まだ立ち上がれるのか……ふっ、面白くなってきやがった。死にたいのなら、かかってこい!」


 <終  ご愛読ありがとうございました ○○先生の次回作にご期待下さい>


 ……おバカな寸劇はこれくらいにして、本題に入りましょうか。


「目」つながりで言うと、視力検査に使う 「C」 みたいなあの文字、あれは 「ランドルトかん」という名前だそうです。


 フランス人の眼科医、エドムント・ランドルトが考案したことから、彼の名前がつきました。


 ちなみにこのランドルトさん、 「シャーロック・ホームズ」の作者、コナン・ドイルと友人だったそうですよ。


 コナン・ドイルは元々、医師ですからね。業界のつながりなのでしょう。 「ランドルト環」 の歴史って結構古いんですね。


 5m離れた位置から、 太さ1.5mmの線で描かれた、直径7.5mmの環のうち、線の太さと同じ1.5mの欠けた部分が、上下左右どの方向にあるか見えれば 「視力は1.0」 という細かい規格が定められています。


 片目を隠すための、棒の先に円形の板がついた、黒いスプーンみたいな道具は「遮眼子しゃがんし」と言い、英語では「オクルーダー」と呼ぶそうです。


 小学校のころ、分厚い眼鏡をかけたクラスメイトが、 もうすぐ行われる視力検査で少しでも視力を上げようと、 「上、下、左……」と「C」の配置と方向を暗記したのに、視力の悪さから、先生が 「C」 を指す指示棒が見えなかった、という笑い話があります。


 最近は、顕微鏡を覗き込むような装置で、スライドでランドルト環を見せながら視力を計測することが多いようですけどね。


 アルファベットの「E」の方向を確認させる 「Eチャート」ってのもあるらしいです。

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