第90話 タンポポの綿毛についているのは「種」ではない
毎日、猛暑で蒸し暑い日が続いていますが、少し季節外れな、春のお話。
タンポポは黄色い花を咲かせ、それが終わると、綿毛になります。
子供の頃、綿毛の茎を手に持って、ふーっと息を吹きかけ、綿毛を飛ばして遊んだ記憶がある人も多いのではないでしょうか。
私が小学生の頃、教室でもタンポポの綿毛をそこらじゅうに飛ばして遊んでいたら、
「タンポポの綿毛が目に入ったり耳に入ったりしたらどうするの! これが原因で、目が見えなくなったり耳が聞こえなくなった人もいるのよ!」
とおばちゃん先生にえらく怒られたものです。
多分、教室のあちこちに綿毛をちらかす子供を戒めるためのガセですが、小学生の頃は「えっそれマジで怖い」と信じて、クラスメイトの誰もがタンポポの綿毛飛ばしをやらなくなりました。
大人が子供を懲らしめるために使う「ウソ」って、怖くて、妙に記憶に残ったりするんですよねえ……。
話が逸れました。
タンポポの、あの綿毛の先端についているものが、「種」だと思っている人もいるかもしれません。
あれは、「種」ではありません。
もうちょっと詳しく言うと、「種」そのものではないのです。
あれは、「実」です。
その「実」の中央部分に「種」も存在するので、綿毛の先に「種」がついている、というのは誤りではないですが、「種単体」ではありません。
ちなみに、イチゴの表面に、白ゴマみたいな無数のポツポツが「種」だと勘違いしている人も多いですが、あれも「種」ではありません。
イチゴは、果実と思われている赤い部分が「膨らんだ茎」で、白ゴマみたいな無数のポツポツこそが「果実」です。
甘酸っぱくて美味しい!と我々が食べているイチゴの部分は、肥大化した茎なのです。
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