第80話 「ヘチマ」の意外な名前の由来

 小学校の頃、「ヘチマのスポンジ」を作ったことがありました。


 実ったヘチマの果実を乾燥させ、水分を飛ばすと、スポンジのようにふわふわした塊になるのです。

 昔は、実際にスポンジのようにして、お風呂場で体を洗うのに使ったようです。

 ふわふわの塊の繊維をほどいていくと、糸が取れます。


 糸が取れるうり、ということで、江戸時代くらいに「糸瓜いとうり」という別名で呼ばれていました。


「いとうり」が、使われるうちに頭の「い」が取れて、「とうり」へ変化します。


 この「とうり」の「と」の文字。


「いろはにほへとちりぬるを…」の順番で、「と」の文字は「へ」と「ち」の間にある、へ・ち・間ということで「ヘチマ」となったとか。


 江戸っ子の粋な言葉遊びというところでしょうか。


 ついでに、漢字雑学をひとつ追加。


 糸瓜の話で「うり」の話をしましたが、「瓜」とよく似ているのが「つめ」という字。


 昔から言われている漢字の覚え方として「うりにツメあり、つめにツメなし」というのがあります。


うり」と「つめ」では、「瓜」の字の方が画数が多く、下の尖った場所(カタカナの「ム」みたいな箇所)を「ツメ」に見立てて、の言葉なのでしょう。

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