第33話 「七福神」で日本発祥の神様は、恵比寿だけ

 カレーライスを食べる時、つけあわせとして「福神漬け」が定番です。


 よく考えると、あの「ダイコンを赤く染めた塩漬け」は、カレーライスの添え物以外の場所ではあまり見かけませんね。

 単体で「俺は福神漬けさえあれば、他に何もいらないんだ」とボリボリ食べている人を見かけたら、非常にレアケースですが、それ以前に栄養が偏るので止めてあげた方がいいと思います。


 この「福神漬け」には諸説ありますが、昔はダイコン、カブ、ナス、ウリ、ナタマメ、レンコン、ゴボウなど七種類の漬物だったから「七」にちなんで七福神=「福神漬け」と名付けた、という話や、これを始めた店が上野不忍池の弁財天近くにあったことから「福神漬け」と命名した、などと言われています。


 さて、宝船に乗っているおめでたいイメージの七福神。


 お正月の飾り物でよく見かける気がしますが、日本由来ではない神様が半分以上を占めていた、という事実を御存知でしょうか。


 七福神は、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋で構成されています。


 元々インドのヒンドゥー教の神様・シヴァ神の化身、マハーカーラが「大黒天」として日本に文化として伝わり、室町時代には中国の仏教の神様・布袋や、道教の福禄寿・寿老人などが加わっていきました。

 ヒンドゥー教のクベーラ神が毘沙門天に、ヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティーが弁財天になったと言われています。

 そして、日本神話のイザナギとイザナミの間に生まれた蛭子(ヒルコ)が、恵比寿となり、現在の「七福神」となりました。


 ちなみに、東京の「恵比寿」には、私も大好きな「エビスビール」の本社があります。


 あー、「恵比寿」という場所で作られたビール工場だから、「エビスビール」ってなったんだね……と思っている人。順序が逆なのだそうです。


 もともと、七福神の恵比寿にちなんで「エビスビール」が命名され、その工場が建てられ、ビールを運搬するために「恵比寿駅」が出来て、地名が「恵比寿」になったのです。ビールが先、地名が後。


 なんかビール飲みたくなってきた。

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