第31話 記念日は、作れる

 本日、4月4日は「ヨーヨー」の日だそうです。

 制定したのは、ハイパーヨーヨーの発売元であるバンダイ。


 この「記念日」、世の中には様々な「記念日」がありますが、その気になれば個人で記念日を作ることができるらしいんです。


 日本の記念日を認定登録している「日本記念日協会」という社団法人があり、そこに届いた申請を元に、記念日に認定するかどうか審査を行い、審査に通れば無事に認定され、「記念日」として登録されるそうです。もちろん、個人ではなく、企業や団体で申請することも可能です。


 たとえば、個人的に、自分の誕生日を「記念日」として登録したい!と思い立ったとしましょうか。


自分「すみませーん! 記念日登録の手続きをしたいんですけどー!」


協会「ではこちらの『記念日登録申請書』に記入をお願いします」


自分「はーい。書く項目が結構細かいし、いっぱいあるんだな……。書きました」


協会「登録制ですので、登録1件につき10万円かかります」


自分「高っ」


協会「記念日は、登録さえされれば、ずーっと記録に残るのです」


自分「うーん、何十年どころか、自分の死後も記念日が半永久的に残るのなら、10万円でも安いのかな……。じゃあ、払いますよ。登録します」


協会「申請書の確認を致します。この日を、どういった理由で、なぜ記念日に登録したいのですか? その目的のために、どういう活動を行うのかが、審査の大事な判断材料となります。登録から5年後に、記念日存続の意志の確認と、それまでの活動について報告して頂きます」


自分「活動報告とかあるのか、なんか面倒くさそうだなあ……。実際、どれくらいの記念日があるんですか?」


協会「現在、1000件以上の記念日があり、毎年、数十件の申請があります。ただし、4件に1件程度は、認定されず、審査で落とされています。自分の誕生日だから、記念日にしたい!なんて単純な理由では、まず審査に通りません」


自分「もういいです! 諦めて帰ります。キャンセルするんで、登録料の10万円返してください」


協会「次の方どうぞー」


自分「ごまかさないで! 10万円返して!」


 実際には、登録をキャンセルしたら10万円返ってくるとは思いますけどね。

 もしも、協会の方が読んでいましたら、勝手に面白くしようとしてゴメンナサイ!と謝ろうと思います。絶対読んでないだろうけど。


 最近では「日本記念日協会認定!」と「〇〇の日」を銘打って広告に使うことも多く、そういった効果が見込めるのであれば、10万円でも安いのかもしれません。

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