女装魔術師混乱中〜そういえば俺は男だった!
大本日
第0話 転生したら女装させられました。
俺の名前は乙倉太陽……っていうのは前世の名前で今はアリィ・エリオスちょっとした貴族の生まれだ。
エリオス家には父子合わせ男性は7人、女性は母1人というとても男臭い家庭だ。
もともと両親は女の子が欲しく子作りを頑張っていたらしいが生まれるのは男の子のみ、6人目で女の子が生まれなかったら諦めると決めていたらしく俺が最後の希望だった。
だが残念ながら生まれたのは男の子だった。
両親は深く悲しんだ。特に父だ。
何を感じたのかわからないが次は女の子が生まれると予想して女の子向けの衣服を購入していたため相当残念そうだった。
母はせっかく買った服を処分するのは勿体無いと俺に着せてきたのだが意外と似合っていたらしくそのままずるずると女の子であるかのように育てられてきた。
5歳になった俺は平然と女装をし、振る舞いも荒々しくなく落ち着いた女の子に育っていきいつのまにか俺も女の子としての生活に慣れた。
うちの兄さん達も俺を妹のように可愛がり結構幸せな生活をしていると思っている。
そんな可愛がられてきた人生から5年後、俺が10歳の時に可愛がる側に変わる。
やはり両親は女の子を諦めていなかったらしくもう1人という所でやっと女の子ができた。
名前はリアン。いつも眠そうな感じで、髪を切るのを嫌がる為足下まで伸びているのだがその黒髪はとても美しい。
アリィ・エリオス12歳。リアンとは逆にショートカットヘアに加え右サイドに三つ編みを垂らしてるのが今の俺のヘアスタイル。
リアンからはお姉ちゃんと呼ばれ俺によく懐き行く先どこでも俺についてくる。
「おねぇちやーん!!!」
珍しく泣き叫ぶ愛する妹は母に抱き止められている。
俺は12歳の春魔法学校に通う。別に魔法能力が高いわけじゃないが低くもない平凡な人間である。
一方でリアンは魔力の量が半端なく兄達をも軽く越す才能があるので将来は公爵に嫁げるかもしれないな。
ちなみに家族の中で一番魔力がないのは俺だ。正直魔法学校みたいな金のかかるとこに才能のない俺が通えるのは貴族の中でもそこそこ裕福だからだろう。
俺の魔術は風、水、氷の三属性を持ち得意魔術は空中浮遊で小さい頃から空中で昼寝をしていた。勿論最初の頃は空中で酔って嘔吐しながら浮遊していたが今ではお手のもの空を飛ぶ鳥のようだ。
さて、リアンとの別れが悲しいが一生会えなくなるわけじゃない。
俺はリアンにお手製の鳥の羽の形の髪留めをつける。
「リアン、夏休みに帰ってくるから心配しなくて大丈夫だよ」
リアンは涙を拭い俺に向かって行ってらっしゃいと声をかける。
俺も行ってきますと笑顔で答えた。
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