今日はカレーだよ!

夕日ゆうや

お家デート

「カレーの隠し味にチョコレートをいれるといいんだって。プロがやっていたよ」

「へぇ~。じゃあ安心だね」

 ぐつぐつと煮込みながらできてくるカレー。

 彼女、浅井あさい美里みさとが作る料理はうまい。

 やはり彼女の手作りがいい。

 付き合って一ヶ月になるが、通い妻のように毎日のように入り浸っている。

 キスすらしたことがないが、とても甘い生活を送っている。

「できたよ」

 美里がそう言うと、カレーライスを食卓に並べる。

「ありがと」

 俺は食卓の椅子に座ると、腹の虫をならす。

「うまそう!」

 カレーには揚げナスやシシトウなども添えられている。

「いただきます」

 美里と命に感謝して食事を始める。


「おいしかった」

 食事を終えると美里は嬉しそうに目を細める。

「お粗末様でした」

 美里が片付けを始める。

 なんでもできる彼女だ。

 俺にはもったいないくらいだ。

「幸せだな~」

「そう。なら良かった」

 俺と美里は微笑を浮かべて片付けを終える。

「ちょっと勉強するか」

「ん。いいね」

 美里は学校ではクールで他の人とはあまり話をしない。でも俺と一緒にいるとけっこう話す。これがクーデレという奴か。

 こんな彼女の姿を見えることが嬉しくて、気持ちが高ぶる。

 幸せだ。

 この幸せを噛みしめて、俺は今日も勉強をする。

 高校生になって離島から本島で一人暮らしをするようになって、俺は不安でいっぱいだった。

 でも、意外となんとかなった。

 もちろん美里の手伝いもあって、だが。

「今日はそろそろ帰るね」

「ああ。ありがとうな」

「いいの。好きでやっていることだから」

「それでも、ありがとう」

 最後にハグをして、俺たちは離れる。

 明日もまたこんな生活が続く。

 それが嬉しい。楽しい。

 やっぱりお家デートは最高だ。

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今日はカレーだよ! 夕日ゆうや @PT03wing

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