16.魔力ポーションを作ってみた

さて、調合レシピは一通り読み終えた。素材がないのは作れないし、買ってまで作る予定もない。手に入って気が向いたら作る方針で。

目下の課題はどうしたら普通のポーションができるのか、と、魔力ポーションだ。



まずは分かれば作ろうと思っていた魔力ポーション。

錬金術のレシピからすると、

魔石の魔力を引き出しつつ、自分の魔力を癒しの薬草に注ぐ。魔石は残魔力があればまた使えるけど、残魔力の判定は感覚か鑑定スキルか重さを図るらしい。どうでもいいけど鑑定スキル無属性だよね多分。

因みに薬師のレシピは蒸留水と洗った魔石と粉末にした癒しの薬草を煮るらしい。ゴリゴリすんのかな。薬師っぽい。魔力でできるなら面倒いからやらないけど。


薬師ギルドで買った瓶を取り出し、角ウサギの魔石を取り出す。魔石の魔力がいるだけみたいだから、今回は消毒いらないだろう。癒しの薬草も取り出し、こちらは便利な生活魔法、洗浄を施す。


まずは角ウサギの魔石を「鑑定」

【角ウサギの魔石】

残魔力:60


ーーーよし、60がどんな数値かは知らん。使った後でまた鑑定すれば大体わかるっしょ。


瓶と蓋をテーブルに置いて、癒しの薬草と魔石を手に持つ。

魔石から魔力を引き出し、自分の魔力を癒しの薬草に注ぎつつ、瓶に入れるイメージ....けっこー難しくない?


一本の線で考えるから難しいのかも。2本の線として、瓶を終着点に、魔石からの魔力を直接瓶にと、癒しの薬草に自分の魔力を注いでからの瓶までの2本。ーーーーだめだ、これだと時間差できて混ざらない気がする。


自分の魔力と、魔石からの魔力を、癒しの薬草に注ぐ、最初は2本、癒しの薬草を経由しての瓶、Yのイメージでやってみよう。


ーー自分の中から魔力が抜ける感覚と、魔石が軽くなった感覚が解った。成る程、これが感覚でって部分か。そのまま薬草に注ぎ、瓶への道筋をイメージし続けていると、前みたいに光った。瓶の中には濃い紫色の液体。



「鑑定」



【魔力ポーション(特大)】

凄く良く効くポーション。

魔力全回復。

何かの力が入って極限まで効果をもたらしたもの。



あぁ.....出来たけど....これは異空間の肥やしだ.....。


がっくりと肩を落とし、今作った優秀すぎ魔力ポーションの瓶に、油性マジックを異空間から出して『特大』と書く。よし、肥やし行きだ。


気を取り直して魔石の残魔力確認に鑑定をもう1度使う。40だった。成る程。角ウサギの魔石は3回使えるんだな。


もう一度空の瓶と癒しの薬草を取り出し、洗浄魔法。残魔力40の魔石も持つ。



「作り方は合ってるんだ。俺の魔力をそんなに注ぐなって事だよな。光るまでってのがダメなのかも。でも目安が.....薬草に鑑定かけながらやろうか。」



常時、をイメージして癒しの薬草に鑑定をかけ、

うし、と気合を入れてもう一度先程の作業をやってみる。

【癒しの薬草】

   ↓

   ↓

【魔力ポーション(微)】

   ↓

   ↓

【魔力ポーション(普通)】

   ↓



ーーっとできた!

急に表示変わるから若干止めるの遅れたけど、普通のができた筈だ!色もさっきのより薄い!



「鑑定!」



【魔力ポーション(良品)】

良く効くポーション。

魔力75%回復。

ちょっと魔力を注ぎすぎた魔力ポーション。



「おぅふ....止めるの遅かったのか。ーーでも、普通の範囲じゃない?鑑定も魔力注ぎすぎたってだけで、何かの力が入って、なんて書いてない。ーーよし、合格。」



妥協することにした。

魔石も一応鑑定すると、今度は15減って25だった。この計算だと、角ウサギの魔石は4回使える計算になる。もう1度作って、残魔力10と中途半端な魔石となった。あれ?もしかして魔石残魔力10で作ったらーーー?

もう1度作ると、途中で魔石の魔力が空になって中断された。鑑定すると、【魔力ポーション(普通)】。



「ふむ。て事は、「普通」の魔力ポーションは角ウサギの魔石だと6回できるわけだ。じゃあ、例えばいっぺんに6等分するイメージで作ったら?」



空になった魔石は置いておいて、早速瓶を6本と、癒しの薬草6本を出して洗浄。角ウサギの魔石を1つ取り出し、6等分になるようにイメージを追加。


ーーー結果、魔力ポーション(普通)が6本できました!



「やっふぅー↑」



テンションあがり、今度は瓶6本と癒しの薬草6本を取り出し洗浄。魔力を等分になるように注ぐ。さっきの時間感覚で止めて、鑑定をかけた。


ーーー結果、ポーション(良品)が6本できました。



「この流れだと出来るとこおぉぉぉぉ!」



難しいよタイミング!!

うがぁ!と喚き、1度深呼吸。

落ち着け、角狼の魔石もあるんだ。頑張れ自分。



角狼の魔石を取り出す。早速鑑定。

角狼の魔石は魔力180。魔力ポーション18本分だね。

えーと、瓶の残りがあと16本。

2本足りないじゃん。

えー、どうしようかな。ジャムの空き瓶はあるけど、あれ飲みづらそうだったしな。

ーーーーーーん、やめよ。瓶買い占めたら怒られたから、明日また買ったら怒られそう。

10個提出分はできたし、明日は瓶が他で売ってないか店巡りしようかな。

    


本日できたポーション

魔力ポーション(特大) 1

魔力ポーション(良品) 2

魔力ポーション(普通) 7

ポーション(良品) 6

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