VRMMOー最高難度職業・忍者で最強と呼ばれた男のプレイ記録ー
あれです。
1章 掟
第1話 忍者入門。
どうも、つい先日宝くじが当たって早速会社を辞めてきた、
と、そんなことはどうでもいい、会社を辞めて今日で2週間。
念願の最新フルダイブ型VRギア『リンク』がついに届いた。
今日の14時からサービス開始の『グランドフリーワールド』通称GFWのために15万で買ったのだ。
この日までに、ネットやら雑誌で情報を集め準備をしてきた。
GFWは広大なマップに今までにない自由度が注目されている。
この『自由度』が注目されている点は他でもない『何でもできる』からだ。
なんでもこのゲームは、現実の犯罪を減らすために作られたとサイトに載っていた。
嘘か真か定かではないが、サイトにも載っている情報には『男女の営みが可能』とある。
それに伴い、ゲーム内の生理現象も現実と同じように再現しているとの事。
これが本当なら、男プレイヤーが女プレイヤーを襲う事が可能ということだろう。
その逆もまたしかり。
なのにこのゲーム、15歳以上ならプレイできるのだ。
しかし、18歳未満はそういう事は出来ないようになっているらしい。
そりゃそうだろうなと思う。
次にシステムは、レベルは無く完全スキル制となっている。
所謂プレイヤースキルが必要になるのだ。
まあ、現実離れした身体能力や魔法等は経験できるからその辺はいいかと思っている。
では早速、ベッドへ横になりギアを被ってダイブ。
意識が一瞬沈み、浮上すると真っ白な空間に俺は立っていた。
すると突然声が空間に響く。
『ようこそグランドフリーワールドへ』
AIのアナウンスか。
サービス開始はまだだが、キャラクタークリエイトは行えるので先に済ませておく事にしたのだ。
アナウンスが終わると目の前に半透明の画面が出てきたので、それを弄って進めていく。
先ずは名前。
これはオンラインゲームをやる時にいつも使っている名前にする。
『キジ丸』
使えるようだ。
種族は人間。
バランス型で器用貧乏になる可能性はあるがそれは育て方による。
基本ソロなのでバランス型がいいのだ。
そして見た目は、現実の自分を元に少し弄る。
目に少し掛かるぐらいの黒髪にして顔を少しだけ変え、イケメン過ぎずかと言って不細工でもない、丁度いい具合に仕上げる。
イケメン過ぎるとちょっと恥ずかしいし、逆に目立ってしまうからね。
身体は現実より少し筋肉質にした。
身長は現実と同じ172センチで決定。
身長を変えると現実との齟齬ができて動きにくくなるとサイトに載っていた。
年齢は16歳からにする。
このゲーム、リアルを追求しているので、ちゃんとアバターも歳をとるのだ。
老化を止める方法もあるらしいが、それはプレイヤー自身で探すようにとサイトに載っていた。
メインの職業選択。
これはサイトで見て既に決めていた。
ちなみに、職業は無数にありクラスも存在する。
例えば、職業が『剣士』でクラスが『見習い剣士』や『上級剣士』などである。
職業とクラスによって覚えるスキルや能力補正は異なるが、それが全てではない。
剣士の初期で習得する剣術は片手剣での攻撃力に補正が掛かるが、このスキルが無くても片手剣は誰でも扱えるという事だ。
まあ、スキルがある方が強いのは確かだが、そこはプレイヤー次第だな。
相手の首を斬り落とせばスキル補正云々は関係無いし。
そして、俺が選ぶ職業は『忍者』!
今までのゲームだと上位職になるが、クラスが存在するGFWでは最初から選ぶ事ができる。
しかし、運営に忍者好きがいるのか、この職業の難易度が1番高く設定されているとサイトに載っていた。が気にしない。
ファンタジー忍者には憧れがあるしな!
極めれば相当強くなれるとも書いてあった。
それは他の職業もそうだけどね。
その極めるのがほぼ不可能に近いかも? とも書いてあったけど。
という事で、俺は最強忍者になる!
キャラクリはこれで終わり決定を押してデータを保存する。
サービス開始時間までログアウトし、トイレ等用事を済ませていると時間がきたのでさっそくフルダイブした。
『ようこそグランドフリーワールドへ、キャラクターデータが存在します。ロードしますか?』
「イエス!」
その瞬間、光に包まれたと思ったらすぐに光が消えると自分で作ったアバターへと変わる。
『転送まで…3、2、1、転送します』
サービス開始時間になったようだ。
足元に魔法陣が現れ光だし視界が一瞬暗転したかと思うと、森の中に立っていた。
おぉ、本当に現実世界に居るみたいな感覚だ。
風も自然の香りもしっかり感じる。
凄い技術だなぁ~。
そこで次に自分の身体を見ると、日本の昔の農民が着るような和服を着ていた。
裾を捲ると白いふんどしを履いているしズボンが無く素足で靴は草履だ。
「これは忍者を選んだからか?」
そんな事を考えていると後ろから突然声を掛けられる。
「お主が忍びになりたいと申す者か」
振り返ると、ザ・忍者という格好をした男が立っていた。
忍び装束なので顔は分からない。
「そうですけど……貴方は?」
「ワシは忍び頭のサスケじゃ」
これは、職業を得るためのチュートリアルか。
「では、さっそくお主に任務を言い渡す」
「任務? チュートリアルじゃないの?」
「ちゅーとりある? 何を言っておるのか分からんが、忍びになるための任務じゃ、これを達成せねば忍びにはなれぬぞ」
スゲー……NPCなのに、普通の人と変わらねぇな。
いや、もしかしたら運営の人が中に入ってるかもしれないので、ここはちゃんとしておこう。
「よろしくお願いします!」
そう言って頭を下げた。
その後、直ぐに任務の内容を話してくれた。
任務と言う名のチュートリアルは『この森で、魔法、スキルを使わず、更には飲まず食わずで2週間サバイバルをし生き残る事』だそうだ。
「めっちゃ過酷!?」
現実世界なら確実に虐待で捕まる案件だぞ?
まあ、ここはゲームの中だけどさ。
「では頑張れよ……しっかり見ておるからの」
そう言ってその場から、一瞬で霧のようになって姿を消した。
おお、流石忍者。
今のは元々実態が無かったってやつかな?
まあそんな事よりも、今はサバイバルだな。
フッフッフッフッ、やってやろうじゃねぇか!
必ず最強忍者になってやる!!
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