【声劇台本】これはガラクタのアダムが、眠れるイブを起こすだけの物語

危険生物かれん 気まぐれ 男性

第1話 ガラクタは恋をした

読み手:これは、とある未来のお話

読み手:コールードスリープを成功させ

読み手:その間に夢を見させることが可能なイブシステムが確率(かくりつ)された

読み手:世界はその成功を垣間(かいま)見るが

読み手:それは全人類を眠らせるイブ計画の始まりだった

読み手:イブの護衛騎士ヴァルキリアスは

読み手:次々と人々をイブの眠りへと誘(いざな)っていった

読み手:キリスト教会で1人祈りを捧げる 人類解放軍の日本リーダー

冬夜:「おい!真波(まなみ)!いつまで、そうしてるつもりだ!」

読み手:アサルトライフルを抱えた 冬夜(とうや)がそこに合流する

真波:「冬夜、、、私たちの勝ちを神に祈っていたのだ」

冬夜:「んな、無駄なことはいいから逃げるぞ!撤退だ!」

冬夜:「2足戦争ロボ コロロ が一機こちらに来てる!」

読み手:ガシャンガシャンと死の足音が聞こえてくる

真波:「、、、逃げてどうする?」

読み手:ポケットから甘すぎる缶コーヒーを取り出して

真波:「ここが、正念場だ!気合いを入れろ!」

読み手:中身を身体へと流し込む

冬夜:「はぁ〜最後までわがままなやつだぜ!」

真波:「悪いな、、、」

冬夜:「へ、、、最後の2人になっちまったな」

真波:「ここから、巻き返せるさ」

冬夜:「そう、、、だな!」

読み手:真波は腰から拳銃を取り出し

読み手:冬夜はアサルトライフルを訪問者へ向けて構えた

読み手:しかし!現れたのは、彼らが待ってた

読み手:訪問者ではなかった

読み手:ガシャグシャンと音を立てて 教会入口とロボは

読み手:一機の戦闘機に破壊された

読み手:中から出てくる大きな電球頭のアンドロイド

アダム:「どうも!ガラクタのアダムと言います」

読み手:静寂(せいじゃく)が支配する教会

アダム:「えと〜日本解放軍リーダーの真波はいらっしゃる?」

林檎:これはガラクタのアダムが眠れる世界のイブを起こすだけの御伽噺(おとぎばなし)

読み手:これは遠いアダムの記憶

読み手:イブを支えるために作られた花婿(はなむこ)

読み手:それがアダムだった

読み手:会えない時間を研究所の公園で休んでいると

林檎:「つまらないわ」

読み手:話しかけてくる少女がいた

アダム:「君は?」

林檎:「林檎(りんご)、、、笑えるようになるためにここにいるの」

アダム:「笑えないのかい?」

林檎:「こんなに素敵な世界なのにね?皮肉よね」

読み手:と、淡々(たんたん)と答える林檎

アダム:「、、、笑えるようになりたいのかい?」

林檎:「当たり前でしょ、、、こんな素敵な世界なんだから」

アダム:「素敵な、、、世界」

読み手:その意味を知りたいと思うアダムがいた

読み手:3人は日本解放軍の秘密基地へと移動する

読み手:動く間、アダムの手には旧時代の通信機スマホが持たされていた

冬夜:「、、、何してんだ?」

アダム:「あぁ、、、情報漏洩でも心配してかい?このスマホは電波遮断しているから、その心配はないよ」

アダム:「これは、ボクの恋人が読むための 旅の記録をしているだけさ」

冬夜:「そんな心配はしてねぇよ」

アダム:「そうかい?」

真波:「アダムがヴァルキリアスなら、残り2人の日本解放軍を逃す理由が見当たらないわ」

アダム:「外国との通信傍受(つうしんぼうじゅ)とか?」

真波:「その手は悪手(あくしゅ)なのは気づいていたわ」

アダム:「なるほどね、、、」

冬夜:「で、、、どうするんだ?」

アダム:「ここに1番近いスリーピングステーションに攻撃を仕掛けよう」

冬夜:「スリーピングステーション、、、」

真波:「コールドスリープしている人々がいるとこね」

アダム:「僕らだけで世界を救うには限界がある」

アダム:「今は戦力を増やすためにも、解放軍の人達が1番捕まってる」

アダム:「この村の施設を狙うべきだ」

冬夜:「なるほど、、、しかし、1つ懸念(けねん)があるんだが」

アダム:「なんだい?」

読み手:スマホを打ちながら答えるアダム

冬夜:「こいつを、本当に信じていいのか?」

冬夜:「イブの元花婿候補なんだろ?」

真波:「連れてきといて今更な話しね」

冬夜:「そうだけどよ、、、」

アダム:「そうですね、、、私の目的を話しましょう」

冬夜:「え?」

真波:「ほぅ、、、」

読み手:突然の話の切り出しに驚く二人

アダム:「私はね、、、イブのせいで眺(なが)めれなくなった 太陽が見たいんですよ」

読み手:イブの反乱が起きてから

読み手:星が光り太陽があった空は

読み手:綺麗(きれい)なオーロラと雲しか見えなくなっていた

読み手:遠い昔の2人の話

読み手:2人は太陽を眺めていた

林檎:「、、、太陽でお餅は焼けるのかしら?」

アダム:「焼けないよ?」

林檎:「つまらない解答ね」

読み手:ため息をついて、そう答える林檎

アダム:「本当のことだろ?」

林檎:「本音(ほんね)で、世界を救えるとは限らないわ」

読み手:あの日以来、二人で並んで会話するのが日課になっていた

アダム:「なら、、、お餅を焼けるとどんなことが出来るんだい?」

林檎:「お月見したり、、、正月になったら、太陽で年越ししても素敵かも 」

アダム:「太陽と共に年を越したら 年を越したことになるのかな?」

林檎:「さぁね、、、でも」

読み手:手を握る林檎

林檎:「手を握るくらいには、素敵なことじゃないかしら?」

アダム:「死んだら、、、温もりも忘れるのに?」

林檎:「知らないの?人間は死んだら生まれ変わるのよ?」

アダム:「そんなの、、、希望的な観測だ」

林檎:「その方が、、、生きてて楽しいって思えるでしょ?」

語り手:アダムの案内の元

語り手:難(なん)なくスリーピングステーションに潜入する3人

アダム:「制圧したら、とりあえずここを解放軍の基地にしたらいいよ」

冬夜:「いろいろと不味(まず)くないか?」

アダム:「君たちと別れてからも、私が向こうにちょっかいかけるから大丈夫さ」

真波:「負ける前提で話さないのね」

アダム:「つまらないだろ?負けることを考えた作戦なんて」

真波:「同感ね」

冬夜:「とりあえず、、、ここを制圧してからの話だな」

アダム:「そうですね、、、ここがコールドスリープ状態の人達が収容されてる保管室です」

読み手:扉にふれ

読み手:横のカードキーに手を合わせるアダム

真波:「構えておけ、、、冬夜」

冬夜:「了解!」

読み手:開けた先には両手にガトリング

読み手:足が八本のイカ型人間制圧ロボット 制圧くんがいた

グン:「聞こえるか?こちら、イブ護衛部隊ヴァルキリアスの1人 グン」

グン:「お前らを制圧するものの名だ!」

読み手:ガトリングから接着性の高いガム弾が放たれる

冬夜:「罠だ!」

真波:「外で待機!」

アダム:「いや!」

読み手:2人が身をかがめる中

読み手:アダムは飛びながら中へと入り込む

グン:「貴様がアダムか!」

アダム:「やぁ、君がグンか、、、君の軍功は常々(つねづね)、耳にしてるよ」

グン:「貴様には開発者より、直々の破壊命令が出ている!」

アダム:「それは照れるね」

読み手:ロボットの後ろに着地するガラクタ、、、だが

読み手:着地点をロボットの足が襲う

真波:「アダムに続くぞ!」

冬夜:「え?危なくない!?」

真波:「全てのロボットはロボット三原則に縛(しば)られてる」

真波:「彼らはこちらを殺せない、、、だから」

語り手:走り出す2人

真波:「動くのは、私たちの役割だ!」

冬夜:「嫌な役割だね!」

グン:「お前、、、なぜ!イブを裏切(うらぎ)った!」

語り手:可憐に攻撃をかわすアダム

アダム:「裏切ったつもりはないさ、、、ただ」

アダム:「私が恋したのはイブではなく、、、空から現れた林檎だっただけさ」

読み手:イブ革命が起こり

読み手:空がオーロラに覆われてから

読み手:数ヶ月したある日、アダムは弱った林檎と出会う

アダム:「なんで、、、教えてくれなかったんだい?本当の病名を」

林檎:「あなたの中の私は、、、元気でいたかったの、、、」

アダム:「そんなことしなくても、、、君は素敵な女性だ!」

読み手:大きな綺麗な造花の花束を渡すアダム

アダム:「そうだ、、、枯れない魔法かけてみたんだ、、、」

林檎:「素敵ね、、、嬉しいわ」

語り手:弱弱しくなる彼女を手をしっかり握るガラクタ

アダム:「好きだ、、、君のことが好きなんだ!」

アダム:「ガラクタの私だけど、、、この気持ちに嘘はない!」

読み手:涙を流し喜ぶ林檎

林檎:「素敵ね、、、アダム、、、お願いがあるの」

アダム:「なんだい?」

読み手:花束を優しくなでる林檎

林檎:「この子のために、、、世界に太陽を取り戻してほしいの」

アダム:「林檎!」

林檎:「また、この世界にきっと、、、きっと!帰ってくるから!」

アダム:「あぁ!必ず!必ず!」

アダム:「この世界の太陽は、、、私が取り戻す!」

語り手:ガラクタの頬(ほほ)に優しいキスがしみる

語り手:その記憶を、、、アダムは忘れられない

グン:「だからなんだ!?その為にイブを目覚めさせるのか!?」

読み手:放たれるガム弾を避けきるアダム

アダム:「そうだね、、、夢の世界で生きることが、人間の幸せなのかもしれない」

アダム:「だが」

読み手:空に手を伸ばすアダム

アダム:「あの子のぬくもりを、、、太陽のぬくもりを知らないなんて、残酷な事じゃないか?」

読み手:その瞬間 その言葉によって、時は止める

グン:「くだらない!」

読み手:時を動かす怒り

グン:「お前のわがままで、世界が変わると思ってるのか!?」

読み手:接近戦を仕掛けるロボット

読み手:しかし

アダム:「私だけではないさ」

読み手:操縦(そうじゅう)エラーを起こすロボット

グン:「な!?」

冬夜:「予想通りだぜ!あのロボットが遠隔操作でよかった!」

読み手:電源が落ちる施設

冬夜:「ハッキングして、施設の電力をシャットダウンしたぞ!これで、少しはデカブツの動きは鈍くなるはず!」

真波:「よくやった!冬夜」

読み手:大きい声を上げる真波

真波:「アダム!世界を変えれるというなら!ここで変えて見せろ!」

読み手:振り向くロボット

グン:「貴様ら!」

読み手:目を離した瞬間に右手を切断するアダム

グン:「な!?」

アダム:「目を離したのが、、、君の敗因さ」

アダム:「色んなものからね」

読み手:ロボットの頭の上に乗るガラクタ

グン:「アダム!」

アダム:「あの子がこの世界に戻ってきた時に、、、笑える世界であるために!」

読み手:ロボットの頭を落ちる

アダム:「イブを目覚めさせる、、、、だから、待っていろ!ヴァルキリアス!」

アダム:「私たちの夢は、、、潰(つい)えない」

読み手:明るくなるとともに手荷物を整えるアダム

真波:「行くのかい?」

アダム:「そろそろ、相棒が痺(しび)れ切らして迎えに来るからね」

冬夜:「相棒?」

読み手:空を横切る戦闘機

アダム:「お別れだ、、、人の子」

真波:「真波だ、、、」

冬夜:「俺は冬夜だ!次までに覚えてろよな!」

アダム:「あぁ、、、必ず、この夢を終わらせよう」

冬夜:「だな!夢オチなんてくだらないからな?」

真波:「そうだな」

アダム:「あぁ、、、まったくだ!」

アダム:「また、、、会おう!」

読み手:戦闘機に乗り 空へと消えていくガラクタ

読み手:こうして、ガラクタのアダムの旅は始まる

読み手:彼がどんな旅をするのかは、、、私にもわからない

0:読んでいただきありがとうございます

0:続編は気ままに書いてしまうかもしれません

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