第13話 名前⑤

中には、ハウステンボスのオリジナルスノードームが入っていた。


「綺麗だな」

見とれて思わず声が漏れた。


そんな僕を見て

「たっくん。これから離れ離れになって寂しくなったり、落ち込んだり、会いたくなったらこれを眺めて私を想像してほしいな。ずっと前に、たっくん言ってくれたよね。私達なら乗り越えられるって。だから、寂しいけど頑張ろうね。大好きだよ」


乙葉は、遠距離恋愛をする覚悟ができたんだなと感じた。

強いなと思ったと同時に、涙を堪えているのも分かった。

「ちょっとトイレ行ってくるね」

席を立った乙葉の後ろ姿は、少し寂しそうだった。


僕はベッドに横たわり、スノードームのキラキラを眺めていた。

ガチャっとトイレのドアが開き、


「たっくん」

と乙葉が僕を呼んだ。


スノードームをベッドサイドに置き、僕は乙葉の方に目をやった。



そこには、セクシーなランジェリーを身にまとった乙葉の姿があった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

一輪の悪魔 コタルト @kotart113

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ