第9話 名前①
僕達は、無事高校を卒業した。高校の思い出といえば、ほとんどが乙葉だった気がする。
勉強自体は、別に嫌いじゃないけど乙葉との時間は凄く濃かったからだ。
大学はというと、僕は地元長崎の大学へ、そして乙葉は東京の大学に行くことになった。
乙葉が東京へと旅立つ1週間前、2人でハウステンボスへ行って思い出をつくろうということになった。
無数のチューリップに囲まれながら、僕と乙葉は将来の夢を話した。
「たっくんは、将来的にはどこに住みたい?」
「僕は、両親の近くに居てあげたいから長崎からは出ないかもな」
「そっか。じゃあ、気が早いかもしれないけど。もし、たっくんと私の子供が出来たら、何ていう名前にする?」
もちろん、すぐに結婚をする予定もなければ赤ちゃんが近々生まれてくる予定もない。
だが、これから離れ離れになるという不安からか、気分が高まったのかもしれない。
まだ見ぬ子供の事を想像しながら、一生懸命名前を考えた。
「男の子は乙葉が考えてよ。僕は女の子の名前を考えるよ」
すると、乙葉は嬉しそうに、
「うん、分かった!いい名前が決まったら教えるね。絶対可愛いよね、私達の子供」
そんな会話をしながら、僕達はお土産屋さんに立ち寄った。
乙葉の提案で、お互いに何かプレゼントし合おうと別行動をすることになった。
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