能力付与してみよう
付与魔法を試している。現実の俺の部屋で、
その結果、ただの包丁が伝説の武器並にすごくなってしまった。
「つ、次は
タタミすらぶった切ったこの激やば包丁はいったん脇に置いておこう。
力の加減はできるとは思う。たぶん。攻撃魔法とかを見てるとね。
さて。
ショッピングモールで買っておいたネックレスを畳の上に置く。
■
「魔法以外も付与できるっぽいな」
『ふむ……して、主はこのネックレスに、何の魔法を付与するのだ?』
「まあ、適当に。危なくない系を」
能力付与のやり方は鑑定したときに、頭の中に流れ込んできた。まじでこの鑑定スキルってやつは便利だな。
俺はネックレスに手をかざす。ステータス画面を2つ表示させる。
俺のと、そしてアイテムのと。
取得している無属性魔法、【浮遊】を選択。
『浮遊魔法を付与しますか?』
俺はイエスを選択。その瞬間、ネックレスが光り輝く。
ネックレスのステータスを確認すると、ちゃんと浮遊がセットされ、スキルスロットが埋まっていた。
さて、魔道具が完成した。
なんかちょーあっさり。こんなもんなのか。もっと派手な演出があると思ったんだが……。
『主よ、我にそれを試させてもらえぬか?』
「え、いやフェリ。あぶねえだろ。さっきの忘れたのか?」
包丁でリンゴを試し切りしようとして、タタミぶった切った経験がある。
それを見ちゃうと、この能力付与されたネックレスを、自分以外のやつに試させるのは、ちょっと躊躇する。
『問題ない。吾輩は頑丈だからな。それに……主からのネックレス、欲しい』
頬を赤くして言うフェリ。尻尾がくねくね揺れていた。なんだ照れてるのか?
まあ、光り物に興味あるみたいだし(買い物時に見た)、割とお高いこのネックレスが、欲しいのだろう。
フェリには普段から世話になってるし、まあこいつも身体頑丈だし、いっか。
「じゃあ、これやるよ」
『感謝する。ふふ、これで我も主の女に……くく』
なんだかな。
さて、ネックレスを付けたフェリとともに、俺は庭へとやってきた。
『魔道具って吾輩はあまり使ったことないのだが、どうするのだ?』
まあフェリは魔道具なんて使わずとも、自らの魔法でいろいろ解決するだろうしな。
「作成者が魔力を込めるパターンと、使用者が魔力を込めるパターンがある。俺はさっき魔力を込めてみたから、起動って念じるだけで飛べると思うよ」
『なるほど……よし! 浮遊……!』
その瞬間、フェリが消えた。
「……………………は?」
え、あ、え? なんで、消えた? まじで一瞬で消えた……あれぇ?
姿を消す魔法を付与したのか? いやそれは……。
『うぉおおおおおいい!』
「え? どわっ!」
上空からフェリが墜ちてくる!
やべ! これ、いや受け止めねえと!
俺は
結果、馬鹿でかいフェンリルを普通にキャッチできました……。
羽毛みたいに軽い……てか、腕力のスペックが強化されたんだろうな。
「おまえ何が起きたんだよ……」
『起きたことを順に説明しよう。まず吾輩がネックレスを起動した瞬間、身体が浮いた。ものすごい速度で、空の上にいた』
「空の上……?」
『うむ。おそらく主の込めた魔法が強力すぎて、制御できなかったのだ。結果、浮遊魔法が暴発し、我はめちゃくちゃ高所まで飛んでしまったと』
なるほど……。
首がでっかくなった影響で、ネックレスの鎖がちぎれた。魔法が消えてそのまま墜ちてきた、ってわけか。
『主よ、これは……半端ないぞ』
「あ、ああ……浮遊魔法は俺も使ってるから、わかる。さすがにこれは強すぎだな」
『すごいことには相違ないが、コントロールできるようにならねばな。
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