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「なんでそんなにはっきりと言い切れるんだよ」

 少しだけ腹を立てながらそうぼくは訊き返した。図星を指されるとおれは腹を立てるタイプなのかもしれない、そんなことを考えながら。

「そりゃあ言い切れるよ」確信があると言うよりは、赤いものは赤いとでも言うような当たり前の口調で勇一郎は答えた。「知らないの? 大輔。生徒のことを本気で考えてる教師なんて、この世には一人も存在しないんだよ?」

「まさか」

「そのまさか。あと——」

 そこまで言ってから勇一郎は急に黙りこくり、指の間で燃えている煙草の先端をじっと見つめた。まるでそこに言葉の続きでも書いてあるかのように。

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