02 公園
公園の、どこかにある穴。
そこに飛び込むと、向こうの世界に連れていかれてしまう。
だから、見つけても決して近づいてはいけないよ。
あちらの者に引きずりこまれてしまうからね。
いつも遊んでいる小さな公園。
そこで不思議な穴を見つけたのは最近の事だ。
その穴はちょうど、子供一人分くらいが通れるサイズ。
公園の隅の、茂みの中にあった。
最初は誰かが穴を掘ったのかなと思った。
でも、穴は底がないように見えた。それに、はさみで切り取ったようなくっきりとした穴のフチだったから。
不思議な事が起きてできた、不思議な穴なんだなと思った。
そんな穴は、時々奥の方がキラキラ光った。
その光は、すごく奇麗で、ずっと見つめていたくなるようなものだった。
だから穴をのぞき込んでる時、ついつい身を乗り出してしまうんだけど。
一度落ちそうになって、かなりヒヤッとした。
だからいい加減やめなければと思うんだけども、公園に来る度にまた覗いてしまう。
その日も心の中ではあれこれ考えるんだけど、結局覗き込んでしまってる。
いつも通り、穴の底ではキラキラとした光が輝いている。
じっと見つめていると、いつもはすぐに消えるはずのその光がなかなか消えなかった。
おかしいなと思ってると、ぐんぐんとそれが近づいてくる。
丸い形の光る何かが、二つ。
好奇心が勝っちゃったみたいで、そこから動くのが遅れた。
あの二つの光、何かに似てるなと思っていたら、脳裏にひらめく光景があった。
夜道で出会った、野良動物の目だ。
あ。
声を一つだけ残して。
私はその穴の中に引きずり込まれた。
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