第56話 ダイヤモンド・プリンセス

【シエスタside】


 私の預かり知らぬ処で舞台は整ってしまいました。

 そして、私の身分がアルコール帝国女大公爵 アメジスト・シエスタ=ダイヤモンドに成ってしまいました。

 共和国内でもクーデターが勃発 !

 ストリキニーネ達、共和党も風前の灯火と成っているそうです。

 アルコール帝国は周辺国に根回し済みで、共和国を改めてダイヤモンド連邦国を創ろうとしています。


 なんで、こう成ったのでしょうか!


 カタリナ叶多に聞くものの、既に原作小説とは、大きく違う展開に成ってしまったようですね。


 夜空に浮かぶ月は日本で見る月とほとんど一緒です。


 もう、Web小説の世界では無く、現実世界なのだと身に染みてきました。


「シエスタ、不安なのかい 」


 アルフォンス様が私の隣にきました。


「ええ、只のメイドが貴族、それも大公だなんて信じたくは無いのです 」


 そう、前世も含めて私は一般人なのです。



「 今夜は月が綺麗だね、シエスタ 」


「ええ、あなたと一緒に見るからでしょう」


 そっと、アルフォンス様が私の手を握ってくれました。


「僕がシエスタを支えていくよ 」


「ありがとうございます、アルフォンス様」


 そう、アルフォンス様が正式に私の婚約者に成ってしまいました。



「浮気は許しませんよ」


「もちろん !」


「身体の体調管理には気をつけてください」


「頑張ります」


「エッチな本もそこそこに許してあげます」


「……ありがとう、ほどほどにします 」


「他にも、まだまだありますが、ずっと一緒に居てくださいね ❤️」


「幸せにするよ、シエスタ ❤️」


「一緒に幸せに成りましょう、アルフォンス様 ❤️」


 私達は、強く手を握り締めました。


 月が私達の誓いの証人です。

 もう少しだけ、の平穏の為に頑張りましょう。





 終わり





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