第14話 学園編に突入です。 ④

【ダイアナ=ギムレットside】


〖 全部、見ているぞ ! 〗


 謎の怪文書が私の元に来て警戒していたら、ピーター、ブルース、クラークの三人が退学処分に成ってしまった。


 まったく、彼奴らは何をやっているのよ !

 下着ドロボウをしていたなんて、一緒に行動している私まで皆に白い目で見られているじゃないのよ !


 ムカつく、ムカつく、ムカつく !


 ニールの奴、同じ子爵家の癖に上から見下しやがって !

 アルフォンス様が同じ貴族派派閥なら取り入ろうと思っていたのに、国王派だなんてツイてないわ。


 シンキロウ様は何も言わないけど、アノ目はを見る目だったわ。


 図体ばかり大きくてさめの脳並みに頭が悪い癖に腹が立つわね。

 こうなったら、お父様に内緒で鞍替くらがえすることにするわ。

 このまま貴族派に居ても使い潰されるのは目に見えているもんね。

 ニールのキモデブの下に付くくらいなら、アルフォンス様の部下に成った方が、ずっ~とマシなはずよね。

 誠心誠意に謝れば、優しいアルフォンス様なら許してくださるはずよ。

 学園貴族派の名簿と情報を持っていけば、キャスバル様たちからも迎え入れて貰えるかも知れないわね。

 学園国王派のトップ達の方がイケメンぞろいだし目の保養にも良いわ。



 ♟♞♝♜♛♚


【シエスタside】



 今、私の前で ダイアナ=ギムレットがアルフォンス様に土下座して謝っている。


 優しいアルフォンス様は、いままでダイアナにされた事を忘れたように許してしまいました。


 原作小説ではネチネチした嫌な奴でしたが、私ののお陰で素直な優しい男の子に育ちました。

 やはり、環境が人を創るのですね。


 キャスバル様とジークフリート王子は、ダイアナが持ち込んだ資料に目を通しています。

 これなら、ダイアナは無事に国王派に迎え入れられるでしょうね。


 原作小説でも旗色が悪く成った貴族派を、あっさり裏切ったダイアナですから遅かれ早かれ此方こちら側に付くのは予想していました。


 胸も小さいようですし、仲間入りは許してあげましょうね。


 ♟♞♝♜♛♚


【ダイアナside】


 気がヌケル程にあっさり許してくれた、アルフォンス様。


 狙い通りにキャスバル様もジークフリート王子も私の派閥入りを許してくださいました。

 所詮、男爵家の三女の私は家を継げる訳でも無く、今のままだと 同じ男爵家に嫁ぐなら良い方で、商人か年寄り貴族のめかけに成るのが関の山だわ。

 それなら、お父様の命令を聞かずに自分の地位を求めた方が良いに決まっている。


 案外、キャスバル様もジークフリート王子も甘いようで……


 と考えていたら、アルフォンス様の後ろから私を見ているメイドに気がついたわ。

 一見、やる気の無い目をしているけど……アレは逆らってはイケない気がする。

 私は私の勘を信じるわ、彼女には充分に気を付けましょう。



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