第8話 一難去ってまた一難 ③

【シエスタside】


 そろそろですね。


 軽く湯浴みを済ませたイライザお嬢様に続いてクッキーが来ました。

 落ち着きの無いジークフリート王子が、勝手に動き出す前で良かったです。


 部屋の中は冬にも関わらず、魔石による暖房器具のお陰で暖かい為に薄目のドレスを着ているイライザお嬢様とクッキーの胸の辺りを見ているジークフリート王子とキャスバル様。


「なるほど、キャスバルが惚れるだけあって、将来が楽しみなだな !

 アルの妹も将来有望だな !

 どうだ、まだ婚約者が決まっていないなら、俺の婚約者候補にしてやるぞ !

 キャスバルは、そのメイドを側室にしたらどうだ !」


 なるほど、ジークフリートがクッキーを助けたのは、の大きさが理由でしたか……


 …………巨乳好きは死ねばいいのに !


 普通の娘なら怒りだしても無理は無いのですが、貴族として厳しく育てられたイライザは微笑みながら、


「婚約のことは、伯爵家のこともありお父様がお決めに成ることなので、私の一存では お返事が出来かねません。

 殿下も婚約者は国王陛下が お決めに成ること、殿下の一存では決められぬと存じます 」


「うっ うむ、そうだったな。

 冗談だ、忘れてくれ 」


 原作小説では、単なるワガママお嬢様だったイライザも 私の進言により付けられた教育係 ローデンマイヤー様の教育が行き届いたようですね。



「大丈夫、僕は小さな胸も好きだから……」


 アルフォンス様が私を見ながら言いましたが……


 どうやら、アルフォンス様とは、よ~く話し合いをしなければ いけないようですね。


 ほどなくして、ジークフリート王子とキャスバル様が帰って行きましたが、只単にイライザやクッキーに逢いに来たのなら、随分とお暇なのですね。

 お陰で私の休憩時間が消滅してしまいました。


 セクハラと私の休憩時間の消滅に対する損害賠償を王室に求めたいのですが、認められないでしょうね。


 ジークフリート王子たちが帰った後、不機嫌に成ったイライザをクッキーがなだめています。


 以前や原作小説では、クッキーを目の敵にしていたイライザがクッキーを受け入れています。

 これは、アレですね。 共通の敵に対しての仲間意識と云う奴ですね。


 イライザが私の方……胸の辺りを見て、クスリ と笑いました。


 どうやら、優越感にひたっているようですが、大きく成る前に いでやりましょうか?






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