第25話

 ビルの方へとカチコミに出た僕たち三人。


「クソッ!ただのガキどもがァ!強いぞォ!こいつらァ!!!」


「何人やられやがったァ!」


「幹部連中は何をしているんだァ!」


「知らんッ!早く助けを呼んでこいやァ!」


 阿鼻叫喚の地獄と化しているビルの中で僕たち三人が縦横無尽に暴れまわる。


「二人の戦闘力えげつねぇなぁ……」

 

 食人鬼のスキルを持つ玲香とおそらくは戦闘関連のスキルを持っているであろうレーシアの二人の勢いは凄まじく、驚異的な勢いで人を血祭りにあげていく……あれ?僕ってば出来れば生け捕りで、って話したよね?

 もしかして無視された?いじめ?


「クソッ!調子乗ってんじゃねぇぞ、ガキッ!」

 

 スキルの効果によって全身を水球に閉じ込められ、息が出来なくなる僕。

 だが、息が出来ず窒息死しようとすぐに再生する。

 こんなもの何でも無い……僕は拳銃の引き金を引き、スキルの発動者を撃ち殺す。

 スキルの発動者が死ぬとスキルは解除され、水球から僕は開放される。


「死なねぇなら、うごけなくさせてやるッ!」

 

 あっさりと水球を攻略した僕に向かって今度は大量の土砂が迫ってくる。


「うーわぁー」

 

 僕は棒読みの演技とともに土砂に全身を囚われて流されて壁へとぶつかる。

 

「これで終わりだァ!」

 

 僕を完全に埋めてみせた土砂がまた別のスキルによって完全に固まり、僕は一切の体が動かせなくなる。


「はぁ……はぁ……はぁ……これで!」


 だが、僕の体は簡単に溶けてしまうのだ。


「残念」

 

 天井の電球へと予め投げておいた爪より再生した僕は上から、土砂を作った男を撃ち殺し、当然のように男の身ぐるみを剥いで武器を確保する。


「そろそろ銃弾が怪しいからね」


「クソッ!」


「君があの土砂を硬くした人かな?」


「ぐげぇ!?」

 

 自分へとナイフで斬りかかってきた男にそう疑問を尋ねた僕はその返答を聞くことすらしないで男の額に銃弾を撃ち込んで殺す。


「ふー。僕は僕の速度でのんびり殺していこうかねぇ」

 

 僕は多くの人間に襲われる中、ゆっくりと確実に敵を殺していった。

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