神様と山口君
Qさん
第1話 神 退屈に身もだえる
私は神なのです。とはいえ全知全能、この世界の時空の唯一神というわけではない。
我々神の基本的な世界観は惑星の誕生とともに一人の神も誕生し惑星に規律と秩序を与える・・・・。
そして惑星の寿命とともに自らの使命を終える。
漠然としているが、そんな世界なのだ。
とはいえ私自身、自分の出自をしっかりとわかっている訳ではない。
自我に芽生えた時にはすでに神を自覚しこの惑星に規律と秩序とほんの少しの希望を与えていた。
ほんの少しの希望?
私はこの惑星の誕生にあたり、ひとつの希望を与えることにした。
それが生命だ。
およそ46億年前だったか?気まぐれで撒いたのだ生命の種をこの『地球』に。
そして生命は独自の進化をとげ…現在にいたる。
と小難しく説明をしてみたものの。とにかく暇なのだ。
時間は永遠のように長く特別な目的があるわけでもない。
しかし不思議な星だ。
勝手に温度が上がったかと思えば冷えてきたり、それに伴って地上の生物も変化する。
私も暇なので時折姿を変えて地上に降りてみたりもした。
魚だったり恐竜だったり。
ただ彼らは食べる繁殖するの繰り返しで、あまり面白くない。
やはり興味深いのは人類だ。
彼らは食べる繁殖する以外にも己も欲を満たすために予想外の行動をする。
通常の生物と違い優秀な個体だから繁栄するとは限らない。
時に暗愚な個体が強大な力を持つこともあるのだ。
非常に不思議(´-`).。oO
そんな中、最近観察している個体がいる。
日本という小さな島国に生息している中年の雄だ。
名を『ヤマグチ』というらしい。
工場と呼ばれる場所でまじめに働く地味な中年だ。
特に良い人間でもないが悪い人間でもない。
通常の人間がつがいになるのが30歳前後のようだが、この個体は独り身のようだ。
とはいえ異性には興味があるようで願望はあるがモジモジしているように見える。
なかなかパンチの効いた愛嬌のある顔面も私の興味をひいた。
なんか可愛らしいのだ。
よし、久しぶりに地上におりよう。
そして神のチートを与えてやろう。
なんか面白そうだし。
こうして神と山口君の奇妙な生活がはじまっていくのだった。
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