死亡記事

死亡記事 鳥

　自分で言うのもなんだがネットカフェの記事はコメント通りつまらなかった。納得しない俺は会社に戻り、新たに書き上げるがそうもいかない。編集長に呼ばれ、地域貢献しろと写真を頼まれ、席につけば校閲と呼ばれる。終わったと思えば上川。「写真」と言われ、頭に来た俺はパソコンに死体写真を直接送ってやった。

【社内メール　上川】

　件名：

『感電死した烏の死体wwオワタ＼(^o^)／』

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【社内メール　住所　朔也】

　件名：

『打てないんですけど(怒)』

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【社内メール　上川】

　件名：

『ww』

　左手でキーボードを弄り、資料を被せマウスを弄ってるふりして表SNSに打ち込む。

【死亡記事（オビチュアリー）@訃報】

　名前：不明（烏）

　痩せ型

　性別：不明

　歳：――

　死因：感電死

　＊焼け焦げた烏の写真

（その他）

　先程の批判受けたので再度更新。雨の日。雷鳴ってるな、と上を向いて歩いてたら落ちてきた。苦しんで死ぬよりは楽に逝けたと思う。これ、誰が食べるんだ。

　＊死者についてのコメント返信。

　一日の死者は大体3000人。大きな事故があると超える。人間は強そうで脆い。まるで働き蜂だ』

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　コメント返信

【黙示録@崇拝者神】

『貴殿。回答感謝する』

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【神っち@同僚神すぎて泣く】

『焼き鳥ww』

　時間帯の関係でコメントは少ないが、それよりも社内メールで上川が妙なことを送って来た。

【社内メール　上川】

『あのさ、初殺（キル）したい。でも、小春ちゃん、追い掛けたい。ずっと見てたい……お願い(･ω･｀人)小春ちゃんのスマホ、ハックして俺にそれ送ってぇ(人´3｀*)～♪』

　嫌だ、とキーボードに触れたとき、背後に人の気配。振り向くとそこには――。

「あ、すみません。これ、回覧です」