いつだって宝生さんは鳥かごの外に手を伸ばす。
世月春人
来客は××××
2LDK65平米のこの部屋は、高校2年生の俺が1人で住むにはあまりにも広い。
華やかな学校生活を送っている高校生が1人暮らしをすると、友達を呼び毎日どんちゃん騒ぎをしているだろう。
しかし俺の場合、自分の生活音が鳴り響くだけだ。
そんな俺の家に今日初めての来客が現れた。しかも女子。しかも美人。しかも先輩。
女の子と同じ屋根の部屋にいるなんて地味な俺からは想像できないだろう。先輩女子とあんなことやこんなことをして~♪なんて考えるとつい頬が緩む。
しかし、残念ながら大衆の想像するようなことではない。事情が斜め上過ぎるのだ。
「分かってるわね?」
凍てつくような声色。彼女は俺を睨みつける。
返答を間違えればすぐに斬られてしまいそうだ。武家社会は大変だったんだろうなと場違いなことを考える。
「もし口外したらその時は覚悟しておいて?」
「は、はい・・・」
圧力のせいだろうか、情けない『はい』しか出てこない。手足が震えている。
まぁそうなるのも無理はないよな。
目の前の美少女は地元を騒がせた悪名高いヤンキーなのだから・・・
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