リトルビッチ・アンタッチャブル ー傍若無人な無敵のJK二人が学園ライフを楽しんでいく!ー

あら フォウ かもんべいべ

プロローグ

第1話* 王子様と運命の出会いと







───3




───2




───1




───action!







 「白馬の王子様って、うちらに微塵も縁がないんやろか…?」


「なんだ、急に? シンデレラ気取りか?」


「白雪姫かもわからんで?」


「なるほど、確かにな。…ところで小人たちはどこに行った?」


「「HAHAHA!」」


「ほんならシンデレラでええわ。そらうちも乙女やからな、カボチャの馬車で連れまわされたい気持ちの一つや二つあるんやで。あんたは一体、どこ連れてってくれるんや?」


「はぁ?何言ってんだお前? あたしらは修学旅行の自由時間を使って観光に来たんだろ?今から純白のドレスにでも着替えろってか?」


「「HAHAHA!」」


「ドレスコードはええやろ?これ、うちらの正装やし。あ、しもた。肝心のガラスの靴がなかったわ…」


「土産屋にあるといいんだがな?」


「「HAHAHA!」」


「そんなんやったら雪駄買った方がええわ」


「あれ、お前吸ってたっけ?」


「いや、そのセッターちゃうわ!」


「「HAHAHA!」」


「…おっと、ここでお前に良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?」


「なんやねん、藪から棒に。悪いニュースなんてそうそう聞きたいヤツなんておらんやろ。…まぁ、ほんならええニュースからや」


「良いニュースな、さっきお前の言ってた願いが叶うぞ? 白馬に乗った王子様のお出ましだ」


「ほんまか!?どこどこどこ!?」


「…そしてもう一つ、悪いニュースだ…」


「後にしい。うちはイケメンの王子様を見つけるのに忙しいんや」


「その王子様だけどな…あっ、パトランプが光った…」


「知るか、パトランプとかどーでもええねん。それよか王子様や。王子様がどないしたん?」


「なに、嫌でも今にわかるさ…『wwweeeoooooooo!!』…な?王子様のお出ましだ…san of a bitch!!」


『…そこの初心者マーク付けた"わ"ナンバーの黒のハイエース、止まってくださーい、止まってくださーい…』


「あー、邪魔くさい!ポリ公おったんかいな」


「良かったな、王子様に見初められたぜ?」


「あんた、さっきから何言うとんねん?こんな状況で冗談なんてよしてくれや?」


「はっ、冗談なんかじゃないさ。王子様のお仕事って言ったら公務だろ? それも鉄の白馬に乗って追いかけてきた上、あたしらは見初められて呼び止められたって訳さ?」


「白馬の王子様って、そっちかーい!」


「「HAHAHA!」」


『はい、左に寄せてくださーい』


「あぁ、王子様からは逃げられないのさ。…この辺でいいかな?…よし、賭けをしよう。あたしは注意されるに昼飯代だ」


「ほなうちはあんたに切符な?」


「じゃ、王子様とご対面といきましょうか?」


「「HAHAHA!」」───。







 ───二年前。


 二人の出会いは高校入学まで遡る。


 同じクラスで話した事がきっかけで友達となり、後に終生までの付き合いとなる。


 バリバリヨーロッパ系の血が入っているクォーターの『ウィラ・フォン=ノイマン』は日本名ではなく、カタカナ表記で浮きまくり。


 入学初日の自己紹介の際には、ドイツ語スピーチでクラスメイトをドン引きさせ、最後にジョークをかます教養の豊かさ。


「…なんてな、うち日本語大丈夫やからみんな安心して話してな?」


「HAHAHA!」


 そんなウィラのジョークに、一番ツボにはまったのが『香坂凪沙ーコウサカ ナギサー』。

 男子並み…むしろ男子越えの高身長で性格も男勝りそのもの。後に職員室の常連と化す、校則違反上等のゴーマイウェイ。


「おい、そこのドイッチュラント女、ちょっとツラ貸しな?」


 一見すると交わる事の無さそうな二人だが、性格そのものは似た者同士と言っても良いぐらいに漢気のある女侠。それに何より………。


「日本語で答えてもええんか?」


「「HAHAHA!」」


 笑いのツボがこれまでかと同じであった。

とにかく二人のきっかけは入学初日、ナギから話しかけた事で始まった。

 それでは、続きをどうぞ───。



「ドイツ語って以外はさっぱりわかんねぇからな、そうしてくれると助かるよ」


「ようドイッチュラントってわかったな?ただのデカブツとちゃうな」


「おい、誰がうどの大木だ」


「「HAHAHA!」」


「そら山が動いたらびっくりするやろ?」


「あたしは怪獣か!?」


「「HAHAHA!」」


「宇宙怪獣さんとやらはノリがええな?」


「…何スケール大きくしてんだよ。おい、いいからツラ貸しな?」


「ええでー。あ、もしかしてうち、愛の告白されるんとちゃうか?…ちょっと待ってな、心の準備が…」


「んなっ、ちげぇよ!」


「「HAHAHA!」」


「ま、うちに悪い変な虫つくよりええかもしれへんな」


「それにはあたしも同意だ…って、そうじゃねーよ!」


「「HAHAHA!」」


「あんた、なかなかおもろいやん」


「…それはどうも。あたしは香坂凪沙(コウサカ ナギサ)だ、ナギって呼んでくれ」


「ウィラ・フォン=ノイマンや。うちのことはウィラって呼んでな。ナギ、よろしくたのんます」


「よろしくな、ウィラ。それでだが、あたしも心の準備が出来た。ツラ貸せ、体育館裏で話そうぜ。愛の告白よろしくな」


「って、ほんまにするんかいな!?屋上じゃあかんのか!?」


「「HAHAHA!」」


「体育館裏だろ?やるなら人目がつかねぇ場所がいいな」


「ほう…、誰を消すんや?」


「消さねえよ!あと、屋上も体育館裏も変わんねーだろ!」


「「HAHAHA!」」


『キーンコーンカーンコーン………』


「あかん、もうそないな時間や『キーン…』」


「『コーン…』あぁ、また『カーン…』」


「あとで『コーン…』」


「「って、チャイムうるさっ!!」」


───cut!





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