本のスタンダードをもう一度振り返る・読書おすすめ厳選100作

木島別弥(旧:へげぞぞ)

第1話 序文

 おれは本をたくさん読んだ。面白い本はたくさんあった。世界観の変わる本もたくさんあった。自分の体験と照らし合わせながら考えると、世界の秘密と思えることが本を読んでいるうちにたくさん思い浮かんで来た。それらは妄想なのかもしれない。しかし、隠された世界の秘密なのかもしれない。


 おれは2446冊の本を読んでいる。自分が読んだ本の書名をすべて公開するのはかなり恥ずかしいことだ。しかし、面白い本をみんなに読んでもらいたい。おれは読んだ本を面白かった順にランキングをつけて公開しているのだが、そのランキングはあまり閲覧されていない。面白かったランキングであって、重要な本のランキングではない。そして、おれの個人的偏愛のランキングであって、ただの一読者の偏見のランキングにすぎない。世間で紹介される本がおれの好みとちがっていたために、自分の納得のいく傑作たちが紹介されることを望んでいた。そんな自分勝手なランキングだ。低い順位になってしまった本や、その作者や、その愛読者は、おれのランキングを迷惑がっているかもしれない。ただ誠実に面白さのランキングを付けつづけるだけではいけないのではないかと思い、別の本の紹介の仕方を考えていた。

 そこで、今回考えたのは、厳選した100作の本だけを紹介するという方法だ。おれの読書録から100作を厳選して、紹介することにした。おれに紹介される本の関係者たちには、勝手に紹介してすいませんというしかない。面白い本、重要な本が広く読まれるためのおれの身勝手なやり方だ。

 2466冊のランキングを出されても、それをすべて読む人はまずいないだろう。一生かかってしまう。みんなが読むのはせいぜい100作だ。そう思って、今回は100作を厳選した。おれの下手な紹介では面白さが充分に伝わらないかもしれないが、せめてもの悪あがきだ。

 読書家は、数千冊読んでいる人でも、その読んでいる本の種類はまるで異なり、重複することはまれである。それくらいに、読書家の読む本の種類はバラバラだ。おれが得意にしているのは、空想科学(SF)と哲学だ。哲学から脱線して、宗教書にも手を出した。宗教書は世界観が変わる書物だった。世間で語られる宗教がどんな内容なのか、実際に読むと印象がぜんぜんちがうものだったのだ。あとは、ミステリが苦手で、主流文学はけっこう読んだ方だ。そんな読書家による厳選である。

 今回、いざ、100作を選んでみると、どれもどこかで題名を聞いたことのある当たり前な本ばかりになってしまった。これでは、斬新な本の紹介とはいえない。これは埋もれた本の紹介ではない。誰もが読んでいて当たり前な標準的な読書の確認だ。みなさんには、あの定番はどのくらい読む価値のある定番なのだろうか、それを教えたくて、こんな有名作ばかりの厳選100作を紹介することにする。ここにあげた100作は今からでも読む価値のある今後も読まれつづけるべき名作である。

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