ROB《ロブ》〜成長性ゴミだけど強くなりたいです!〜

キャロット

第1話 解放《アンロック》

「おんどりゃぁぁぁぁ!!」


短剣を振り上げ、目の前にいるリトルゴブリンの脳天へ突き刺す。


「ぎゅえぇ!」


気持ち悪い声をあげながらリトルゴブリンは倒れる。


そして次の瞬間リトルゴブリンの体は青い霧状になって爆散した。


爆散した所には緋色のクリスタルと剣がアイテムとして落ちている。


「はぁ…はぁ…やっと6匹目倒せた…」


俺の名前は小林智也こばやしともや、20歳。

冒険者だ。


俺は攻撃力が低い。

そのせいで、リトルゴブリンごとき低ランクモンスターでも仕留めるのに時間がかかる。


「でもそろそろレベルが10になるはず…」


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レベルアップしました。

Lv9→10

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「よし、上がった!」


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NAME:小林智也 Lv10

HP :10/10     MP:10/10

ATK:10   DEF:10   AGI:10

INT:10    MD:10   DEX:10

LUK:10   SPI:10   LER:G


特殊スキル:施錠中

スキル  :なし

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相変わらず俺のステータスはいつ見ても貧相だな…といつもの俺なら肩を落としていただろう!


だがしかーし!今日の俺は違う!

待ちに待ったレベル10に到達したからだ!


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レベルが10に到達したことを確認。

特殊スキルを解放アンロックします。

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今日まで長かった…

本当に長かった…


やっと俺の特殊スキルが解放される。

これで俺も新人から卒業することができた。


特殊スキルとはレベルを10にすることで解放することのできる、その人だけの唯一無二のスキルである。


特殊スキルは鍛錬やアイテムによって習得できるスキルより強力な能力を持つと言われている。


新人冒険者は特殊スキルを解放して初めて1人前の冒険者として認められるのだ。


そろそろレベルが10に上がりそうだったのと、早く新人を抜け出したいという焦りから、普段は5匹でやめているリトルゴブリンを今日は頑張って6匹倒した。


死ぬかと思った…


【特殊スキル解放中…】


【特殊スキル解放中…】


【特殊スキル解放完了しました】


【特殊スキルを確認しますか?YES or NO】


イエス!!

ドキドキしながら俺の特殊スキルを確認する。


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あなたの特殊スキルは『私益世界スティールワールド』です。

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「???」


今から8年前、突如世界のあり方が変わった。


地球上にこれまでゲームやアニメだけの世界のものだと思われたダンジョンが出現したのだ。

当然モンスターも。


また人類のあり方も変わった。


ダンジョンやモンスターの誕生に伴い、『ステータス』を全員身につけた。


ダンジョンに出てくるモンスターを倒し、経験値を得ることで己を強化することができるようになったのだ。


いつしか人は、死をも恐れずダンジョンへ乗り出す者を賞賛し冒険者チャレンジャーと呼ぶようになり、今では冒険者のほうがYouTuberより子供に人気のある職業となった。


俺もそんな冒険者に憧れてこの世界に入った。

ダンジョンのモンスターを華麗に倒し、高級アイテムを難なく集めてくる、そんなキラキラした冒険者ライフを夢見ていた。


でも現実は辛かった。

冒険者のライセンスを取るために、筆記試験を首席で合格するまではよかった。


いざダンジョンに潜ってみるも、モンスターは低ランクのやつで手一杯。

知識と実戦の違いを思い知らされた。


なんとかレベルを上げても、LER値がGのせいでステータスは1ずつしか上がらなかった。


アイテムも低ランクモンスターしか狩ることができないので、粗悪で安価な物しか集めることができなかった…


しかし!それでも!それでも!!

諦めずにコツコツとレベル上げに勤しんだ。


特殊スキルに最後の希望を抱いていた。


特殊スキルを解放してから活躍し始めた冒険者が、テレビのドキュメントで特集されていたからだ。


その人も解放前は俺と同じように低ランクモンスター相手に苦戦をしていた。

しかし解放後はダンジョンの最前線で高ランクモンスターを相手に奮闘している。


特殊スキルとは、それくらい一発逆転を期待できるものなのだ。


俺の能力はなんだか物騒な名前をしているが、大丈夫だろうか?


とりあえず特殊スキルを確認してみる。


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特殊スキルを確認しますか?  YES or NO

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イエス。







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