星割り番付

叙 - 星割り統一！

　男なら星を割れ、女だって星を割れ。

　この銅鑼太鼓超銀河団（どらだいこちょうぎんがだん）統一、星割り統一の季節がやってきた！

　この銅鑼太鼓超銀河団で真の腕っ節自慢を決める競技、それが星割りである。

　直径一万AU（天文単位）サイズの星から数えて十万AUまで百星、挑戦者たちが順に天体を割っていき、どこまで割れるかを競う。割れなかったらその場で敗退、最後に星を割った者が勝者となる。

　そしてその最高峰の大会が「超銀河団星割り統一大会」である！

　十万年に一度の開催で今回の大会は記念すべき千回目、一億年の歴史を持つ伝統的な大会だ。

　そして今大会の挑戦する還士（かえし）は十名。いずれも強者揃い、各々が銀河団に名を轟かせる猛者ばかりだ。

　しかし！

　しかしその誰もが頂きに居る一人の男を見上げている。

　男の名は万丈万場紫電羅岐（ばんじょうまんばしでらぎ）。大会九連覇、約百万年もの間、星割りの玉座に君臨し続ける真の益荒男である。自らの胴体より巨大な八本の剛腕から繰り出される突きは圧巻、一度に複数の星を割る「多星割り」は、銀河の果てまでその衝撃が轟くほどである。

　そして万丈万場紫電羅岐を追いかける、目下時期王者と名高い期待の有望株が一人。

　ここ数万年で力を付けてきた親弾合掌猛成敗（しんだがっしょうもうせいばい）である。力でこそ防衛王者に及ばないものの、様々な形状に姿を変える身体を持ち、手刀による「大切断」はその美しさで観客を魅了する。

　記念すべき千回目の星割り大会は、事実上両雄の一騎打ちと見られている！

　多星割りの万丈万場紫電羅岐！

　切断の貴公子、親弾合掌猛成敗！

　今回の星割り統一からも目が離せない――！