一章
「君程ではないにしろ、彼等が有望な人材である事は事実だ。そんな二人を、みすみす手放す程愚かではない。……ただ、君も思ってるように、先程の言葉は建前だ。二人を組ませたのには理由がある」
「理由、とは……?」
「君に、こいつの実戦テストを行って欲しいんだ。アイビー1等軍曹のスコアを元に専用機としてカスタマイズしてある。彼等が居ては、純粋な実戦データが取れないと思ってね」
そう言いながら、ノアはアイビーへ端末を手渡す。
そこには、ノアが話した灰動機についての詳細な情報が記されていた。
「後の事は整備士に聞いてくれ。操作手順等は、それを見ながらやると良い」
「何故、私に……」
「専用機の事か?それは勿論、君に期待しているからだ」
ノアの言葉に、アイビーは僅かに顔を強ばらせる。
「…下がっていいぞ、アイビー1等軍曹」
ノアが椅子を回転させ、アイビーに背を向けた。
余計な世間話をするつもりはないようだ。
軍人らしいと言えば軍人らしい。
「はっ、失礼致します」
彼女も彼女で、それ以上何かを追及する事はなく、そのまま司令室を後にした。
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