小人たちの初飛行

ミンイチ

第1話

 我々は現在、飛行船を製作している。


 飛行船の船体はすでに確保してある。


 あの巨大生物が稀に生成する「ぺっとぼとる」というものが、我々の考えた飛行船の船体として最適であった。


 しかし、それを確保するにはかなり苦労した。


 そもそも、あの生物がぺっとぼとるを生成するのは稀であり、上にある穴を塞ぐ栓もつているものはなかなか無かった。


 もしも完璧なものを見つけたとしても、かなりの頻度であの巨大生物に回収されるのだ。


 それでも、我々はこのぺっとぼとるを手に入れた。


 次に、これを動かすための動力を動かすためのエネルギーだが、それもすでに回収済みである。


 それは巨大生物が守っている宝物の一つである、甘い食べ物だ。


 我々は巨大生物の発音の通りにこれを、「きやんでー」と呼んでいる。


 これにはさまざまな味のものがあるが、食べると少しスーッとするようなものは我々には向いていない。


 しかし、それらは命懸けで我々が確保したものなので、無駄に使おうとは思えない。


 そこで、この味のきやんでーを燃料として使うことに決めた。


 きやんでーを燃料として使う仕組みはすでに完成し、飛行船に組み込んである。


 我々はこれから、運用試験を開始する。


 今この瞬間が我々の世界の転換点である!

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小人たちの初飛行 ミンイチ @DoTK

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