22-2 もちろん、あらゆる美しい約束は破られる運命にある



【******】

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 *

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「何がもちろん、か。おまえが勝手に決めるなよ」


「どうする、とは?」


「おい、なんとかゆえ。どーせ見ておるのであろ?」


「ほんとうにヒドい魔物だな、魔王は。ヒトを紙くずみたいに」


「ここまでこさせておいて、だんまりを決めこむつもりか?」


「すまない。ぜんぜんわからないのだが」


「それともまだ舞台が調ってないとゆーコトかや」


「なんか話が変わってないか、なんとなくなのだが?」


「何が足りないのだ。ちょっと欲しがりすぎではないカーシラー」


「とりあえず、いったん家に帰ろうかな」


「足りないもの。足りないものねえ。ひょっとして――」


「あたしは紙くずのように魔王を棄てたりしないから、ちゃんと会話に戻ってこい」


「きさまには口が、しゃべるための器官がそなわってない、とかゆーオチではあるまいな?」


「まったくこどもなんだかおっさんなんだかわからないところがあるよな、魔王は」


「I/Oの問題、ね。ありえるわい」


「底知れなさの方向性が間違っている気がする」


「そもそもそちとわらわが直接対話する必要などこんりんざいありえなかったはずなのだから、その手段が開発されていないのも道理」


「……誤解は解けたとはいえ、魔王のせいであの子が変わったのは事実だ。それでもし妹が危ない目にあったりしたら、ふたたび苦情をいいに舞い戻ってくるからなっ」


「だがわらわは抗議するぞっ」


「ああ。今度こそ目にもの見せてやるっ」


「……とりあえず各演目のタイトルに干渉することはできるよーぢゃし」


「あれ。いってなかったか? みんなはいま『世界の臍』を探索中だ。あすこは専門の探掘家でも底まで潜るのにひと月以上かかる難所。まだしばらくは帰ってこられないと思うけど」


「これをいじくりまわしていろいろ試してみるとするかの?」


「だからさきに勇者の後援会に話をつけに行ったんだろ、本人を後まわしにして」


「二十二引く二で、ここが二〇とゆーわけだから、ストーリーを進めるためには、つぎは順番どおり二十三でいーとして――」


「あたしはあすこに潜る前に戦線離脱したから」


「――今度は場所になるわけじゃけンど」


「うるさいっ」


「きさまこそうるさいよ。すこし黙っとれんのか?」


「伝説の剣探し」


「すまんすまん。女騎士は悪くない、悪クナーイ。わらわのほーが離れればえーのンか」


「魔王の城のまわりって瘴気が立ちこめていて、ふつうの人類には――」



「しかしなんでもゆってみるもんぢゃ。セーブして、おとといきやがれがまさか伏線だったとは」




「――の血統が――だ」




「いきなりきゃつの許へ跳んでもよみ、それとも――」





「――、――」





「ひさしぶりに〈副官〉ちゃんの表情でも拝んでからにしよーかな」







「……。……」


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