あの夜
別れ話に似合わない、公園のブランコに二人揺れる…そんな夜。
なんでだろう?
「私ね、あの夜…すべてを捨てる勇気だって持ってたんだよ…」
それなのに、いつから、私は絢斗の何を疑った?
「じゃあ…俺に全部あずけろよ…」
まだ、別れない…そんな言葉に聴こえる。
「…無理だよ…私、そんなに弱くなれない…」
これが最後の夜だなんて 思えないほど、今夜の月は、綺麗だ。
その月を見ながら、私はまた、あの夜を想い出していた。
それを見透かしたよに、絢斗は言った。
「あの夜みたいに…何も考えず、何にも縛られず、ただ…二人でいられることを幸せに思えるなら…愛を信じられるなら…それでいい。…そう、思わないか?」
「…そう…だね…。私が強くも弱くも無ければ…そう思えたのかも知れない…」
ダメか…、と絢斗が溜息を吐く。
「でも、絢斗。あの夜に見たものは…きっと…愛だったよ」
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