星の花が降る丘で

イヌ

プロローグ


あの夜、頭上から降っていたあの星を、忘れない。


あの夜、見上げた泣きそうな笑顔も、ずっと、ずっと忘れない。


あの夜、交わした約束を僕らは忘れない。


遠い遠い昔の大切な約束。


「いつかまた、____で____」


優しい声が聞こえる。


最後の部分だけは聞き取れない。


聞き返そうと声の方を見てもあるのは風に揺れる若い樹木のみ。


声をかけても返事はなく、遠くから別の声が聞こえてくるだけだ。


やがて声が近づいてきて、世界は暗転した。

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