南の島を舞台に、戦中の出来事と現在の描写が交錯する物語。
確かにタイトル通りの内容でありながら、タイトルからは想像もつかない読み応えが魅力のお話です。
存外にシリアスというか、とても読ませるお話で、しかも確かに「ドキッ★ときめき〜〜」しているところがもう最高でした。
コメディ的な要素をシリアスなストーリーとして料理する、その手管の見事さがもう本当に綺麗で……。
単に「笑えるところと真面目なところが両立している」という話ではなく、尖った要素を物語の構造の中にうまく吸収している感じが魅力的。
あんまり具体的には説明できないのが悔しい……ネタバレになるというか、絶対実際に読んでもらった方が楽しいので。
現代に過去と、時制が行き来する独特の構成も、徐々に全容が見えてくる面白みを補強していてとても素敵。
気づけばすっかりのめり込んでいた作品でした。