スナッフフィルムの出どころを探るため、南の島で潜入捜査を行うくのいちのお話。
現代もののホラー掌編です。
導入からしてもう不穏というか、「得体の知れないスナッフフィルム」から始まるところが魅力のお話。
秘境の因習という民俗学的なホラー感に対して、文字通りの〝都市〟伝説的な味わいがあります。
一応ファンタジー的な設定ではあるんですけど(主人公がくのいちなので)、といって超常的な忍術などを使うわけでもないところも素敵。
終盤の展開、事件解決の方法が好きです。
ネタバレになるので詳しくは触れませんけど、主人公のこう、わりといい度胸してるというか、職業倫理の薄い感じに笑っちゃう……。
さくっと読めちゃう小品ながらも印象深いお話でした。