　ルナがニマと出会い、話せたのは、リールイが診療室に戻ってくるまでの、ほんの短い時間だったのだが、ニマとの会話はルナの心をとらえ、いつしかまた会えることを心から願うようになっていた。

　しかしその数日後にルナが出会った青年は、以前のように、視線の定まらぬ目で

ルナを見つめ、

「僕の妹ルナだよね？」

と同じ言葉を繰り返すばかりで、ニマの面影はもはや完全に消えていた。　

　そしてルナが、

「ニマ･･･」

と呼びかけてみても、まったく無反応だった。

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