多分?スローライフ

ザシュ!!


アッシュがはぐれ狼の首を噛み切って、殺してみせた。

アッシュははぐれ狼に一対一(俺の助けなし)で勝てるようになっていた。


「成長したな、アッシュ大きさはまだ、中型犬ぐらいだけど。」


「ワン!!」


アッシュの返事が『キャン!!』から『ワン!!』になった。

最近、一緒に寝るのが、重くて辛くなってきた。

そろそろ、親離れしてもらおうか。

といううか、最近思ったんだけど、土魔法で家作れるんじゃね?

だって、ラノベで作ってたし。


「約束通り、明日ぐらいに昼間に巨大猪と戦闘するぞ。」


「ワン!!」


ーーー翌日ーーー


「昨日、土魔法で家作ろうとしたけど、無理だったな。土魔法のスキルレベルが低いせいだろうか。ただ、土遊びしただけだった。」


巨大猪をアッシュと探していた。

なぜ、昨日猪と対決しなかったかというと、アッシュがはぐれ狼と戦って万全の状態ではなかったからだ。

俺を助けることも猪から逃げることも安全に生きたいからな。


「アッシュ、今日はお前は戦わなくていいから、俺の戦いを解く見とくんだぞ。」


「ワン!!」


「ん?気配察知に猪の反応ありと。アッシュわかるか?」


「ワン?」


「アッシュの気配察知と嗅覚じゃ、この距離は分からんか。

俺は先行して、猪狩るからアッシュは、勝負が視認できる、ぎりぎりの距離で待機しとけ。」


「ワン!!」


「もしもの時は逃げて、今日寝た木で待ち合わせだぞ。」



「ワン!!」


仁は、アッシュを置いて加速して巨大猪に迫る。

先制攻撃はせずに、猪の真正面に立つ。

こんな、戦い方は被弾しないのだが、自分に強さがどれほどなのか

確かめるにも万全の状態の巨大猪と戦いたいのだ。


「ブモォォォォォォォ!?」


巨大猪は俺に気づき、突進してくる。

その突進を避ける。

避け方としては、常に木を背後にしておくのがベスト。


ドゴンッッ!!


木がミシミシ言ってるが、関係ない。猪が木に激突している隙に首に思いっきり、斬撃をお見舞いする。


ドンッ!?


相手が身体強化を使っているせいか。斬撃らしからぬ音がするが、致命傷を負わせることに成功する。

しかし、猪は倒れない。傷が回復していく。


「やっぱり、回復魔法使えるし、生命力もあるから。持久戦になるか。

ヘイトコントロールは楽だから、魔力切れるまで、同じことをするか。」


仁は、先ほどと同じように、木を背後に、猪の突進を待つが。

一向に猪は突進してこず。こちらを様子見する。


「一回の攻撃で、俺が油断ならない相手だと学習したのか。仕方ない、こちらから仕掛けるか」


仁は基本、カウンター狙いの戦い方をする(簡単に勝てるから)ので、自分から攻撃はしない。

仁は、巨大猪に突進して、ある程度近づいたら、土魔法で土を出し風魔法でその土を巻き上げて、相手の視界を奪い、その隙に猪の側面に回り込み、

猪に馬乗りする。


「猪は構造上、上からの攻撃に弱いからな、よし、タコ殴りするか」


仁は剣を収納にしまい、身体強化した素手で、猪をタコ殴りにする。


ドン! ドン! ドン!!


猪もこのままでは殺されると思ったのであろう。急発進して、背中を思いっきり

背中を木にぶつける。


「危なっ!?必死じゃないか猪!!でも、魔力感知からして、魔力はもう残り少ないぞ!!」


猪は、即座に身体中の骨折た打撲を回復したので、最初と比べると魔力はかなり減っているように思えた。

仁は、優勢のため自分から攻撃はしない。ほっといても勝てるし、カウンターをくらい形成逆転になるのも馬鹿らしいからだ。


「ブモォォォォォ!!!」


猪は、これが最後の攻撃だと思い、大声で吠えながら突進してくる。

仁の背後に木がなかったことも猪が突進を選択した理由になるだろう。

仁はここで、周囲に対して最大限の魔力


その突進に対し仁は、先ほどと同じように土煙を起こし、相手の視界を奪う。

しかし、猪はお構いなく突進してくる。

仁はその突進をなるべくぎりぎりで避ける。

猪は避けることがわかっていたのか、すぐに方向転換して再度突進、する準備をするが、足元に絡んだ何かのせいで

突進の勢いそのままに、転倒してしまう。


「ブモォ!?」


「『影縫い』、あの土煙は影縫いに気付きにくくなるためにやったんだよ。」


仁は転倒した猪にとどめを刺そうと追撃する。

猪も、咄嗟に体勢を戻して、反撃しようとするが間に合わない。



ここで、地面から大きな魔力反応



「やっぱりな!!」


仁は突然生えてきた、土の杭を避け、猪に接近し、斬撃を見舞う。


ザシュッッ!!


猪は身体強化に使う魔力もなかったのであろう、首が簡単に切れた。

猪の最後に顔はどこか、呆然としていた。


「最後の土の杭が、お前の切り札だったんだろう。野生動物は基本、自分が不利になったら、逃げ出すからな。何かあると思ったんだよ。

お前はこの森の浅いところでは最強だが、それゆえに油断したな。」


この森で長生きするコツは自分を強く見せるんではなく、自分をいかに相手に弱く見せるかである。

自分が弱い分だけ、相手が油断してくれるからである。


「ワン!!ワン!!」


アッシュが俺の勝敗が決したことがわかったのであろう。俺に近寄って、体を足に擦り付けてきた。

アッシュの頭を撫でて。


「アッシュ猪肉は無茶苦茶余っているから、明日は、猪肉の大食い勝負でもするか?」


「ワゥ〜ン!!」


アッシュは嬉しいのか、遠吠えをする。仁はこの巨大猪を収納して。帰る準備をする。


こんな事をして過ごしながら、


ーーー2月後ーーー







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る