第24話 登録するために②



「お待たせ致しました〜」



 お姉さんが戻ってくると、何か重そうなものを持って戻ってきた。


 半円の透明な石で出来たのが……金属の板の上に乗っているもの。


 ファンタジー世界で言う、魔法か何かの道具だろうか?



「……それなんですか?」



 気になって、思わず聞いてしまった!?



「これですか〜? 情報を登録し、適切な職業を教えてくれる魔導具なんですよー。お嬢さんは初めて見ます〜?」


「……はい」



 特に疑問に思われることなく、お姉さんは答えてくれたけど……昨日の今日で、異世界に転移したばかりだから知らないこと多くて当然だけどね!?


 しかし、電子機器とかがないのに……魔法の道具とやらは随分と発展している感じだ。これだと街中でも似たものがあるのかな?


 ちょっとだけわくわくしてきた!



「でしたら〜、注意事項に記載されているものを少しだけ復唱させてください。犯罪などのカルマを一定の回数まで犯してしまった場合……登録カードの没収並びに、牢屋への投獄となります。ただし、正当防衛などの殺生は別です」



 お姉さんが真面目口調になったけど……結構怖いことさらっと言っちゃうな!? それがお仕事なんだろうけど……。


 でも、この世界では……殺しも、場合によっては罪に問われないんだ。日本とかだと……昔あった戦争みたいに。


 この世界でも……どこかの国では戦争があるかもしれない。そんな場所に行くかわからないけどね?



「わかりました」


「あいわかった」



 クレハも頷いたけど……種族が違っても、モンスターを倒すのに躊躇とかなかった。それは……人間とか……私もひょっとして、同じなのかな?


 そんな考えが浮かんだけど、すぐに忘れることにした。



「では……こちらの判定水晶に、まずはネコマタ耳のお嬢さんから」


「……あちきのことを知っとるん?」


「ふふ。ミハヤさんのお子さんかと。お顔がよく似ていたので」


「……オカン」



 どうやら、クレハのお母さんはお姉さんと顔見知りらしい?


 あれ? そうするとこのお姉さんも……ひょっとして人間じゃないかも? 下手な詮索はやめておこう! なんか怖いから!!


 とりあえず、クレハが判定水晶と言うのに手を乗せれば……すぐに白く光り出して、何か文字のようなものが浮かんだ。



「なるほど……お嬢さんの適正職業は『アサシン』ですね〜?」


「ほーん?」


「……あさしん?」


「隠密などを得意とする職業なんですよ〜。ネコマタの……お嬢さんはクレハさんですね? クレハさんの種族だと、割と多いんですよ〜」


「……ほーん」


「へぇ……」



 身のこなしもいいし、たしかにクレハは忍者っぽいイメージだ。


 次に私だと手を乗せてみると……同じように、白く光って文字が浮かんできた!



「……ふんふん。お嬢さん……ヒロさんは、『料理人見習い』ですね〜?」


「……おお」



 事実その通りだけど……ちゃんと料理に関係する職業なのが嬉しかった。

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